個人情報保護(2015/01/23)
昨日の朝、Kさんの息子さんと言う人から電話をもらった。「先生には長い間お世話になっていたKの、旧姓Yの長男です。母が加治木温泉病院で一昨日亡くなりました。お世話になっていた人に電話しているところです」というもの。Lさんは原良小では「マドンナ的」な存在の生徒だったが、6年生の時に鹿屋に転校、高校でまた一緒になった。南九州病院にいる時、パーキンソン病で入院してこられて再会、びっくりしたものだった。ご主人もグループホームですい臓がんが見つかり昨年亡くなったけど母には知らせませんでした、という。同級生が亡くなるのは他人事には思えなくなる。ご冥福をお祈りしたい。
でも、これも下記に述べるような個人情報の問題かもしれないなあ。
さて、昨年末に院長である私宛の匿名の手紙を頂いた。
・・・必死に親子3人でがんばってきたのですが、密葬にしてそっとしてほしいという死人のねがいをかなえてやることができませんでした。悲しみにあけくれて新年をむかえる者がいることをわすれないで下さい・・・
そして「南風病院は個人情報保護に関しては日本一だよ」と万人にいわれるような病院であって欲しいと思います・・・(原文通り)
この文面からだけでは詳しい内容はわからないが、当院で亡くなられた方が、当院の職員の「誰それさんが亡くなられた」という「個人情報漏えい」で、外部の人に知られてしまったということのようである。もしそのことが事実であったとしたら、恐らく職員は何気なしに話題にしたことかもしれないが、受け取り方で「知られたくなかった」ということなのだろう。
もうずいぶん昔のことになるが、私が以前勤めていた南九州病院でも個人情報に関して2件ほどクレームを頂いたことを覚えている。
一つは南九州病院に心身症によりカウンセリングを受けられている女性からで、「子どもの通っている幼稚園で、自分が南九州病院にかかっていることを知っている父兄がいた。病院の外来で南九州病院の職員に出会ったので、そのお子さんも同じ幼稚園に子どもが通っているので、きっとその人が話したに違いない」というようなものだった。一応、該当の職員に聞いてみたが全く覚えはないということ、恐らくその患者さんの被害妄想的な連想から結び付けたのではないかと推察された。
もう一つは、「近所の人で『主人が結核病棟に入院している』ことを知っている人がいた。南九州病院の放射線科の職員が近所に住んでいるので、きっと言いふらしたに違いない。うちは食品を取り扱っているので、非常に困っている」というものだった。該当の職員に聞いてみたところ、話したことはないという。
言うまでもないことだが、我々病院職員は職業上知り得た事柄を別の場所で話すと罰せられるという守秘義務がある。話す方にとっては他愛ないことでも、受け取る方にとっては深刻な事態に発展することもある。
ただ個人情報保護が行き過ぎて、安全という点では懸念される事案も増えてきている。たとえば災害時に難病の患者さんの居住地を知っておく必要があるので保健所に訊ねても訪ねても「個人情報ですから教えることはできません」という返事をもらったこともあった。「患者から自分が難病であることを教えないで欲しい」と言われていたようである。
何事も行きすぎると問題が生じることにもなるので、個人情報保護ももう一度考え直してみる事案もありそうである。
でも、これも下記に述べるような個人情報の問題かもしれないなあ。
さて、昨年末に院長である私宛の匿名の手紙を頂いた。
・・・必死に親子3人でがんばってきたのですが、密葬にしてそっとしてほしいという死人のねがいをかなえてやることができませんでした。悲しみにあけくれて新年をむかえる者がいることをわすれないで下さい・・・
そして「南風病院は個人情報保護に関しては日本一だよ」と万人にいわれるような病院であって欲しいと思います・・・(原文通り)
この文面からだけでは詳しい内容はわからないが、当院で亡くなられた方が、当院の職員の「誰それさんが亡くなられた」という「個人情報漏えい」で、外部の人に知られてしまったということのようである。もしそのことが事実であったとしたら、恐らく職員は何気なしに話題にしたことかもしれないが、受け取り方で「知られたくなかった」ということなのだろう。
もうずいぶん昔のことになるが、私が以前勤めていた南九州病院でも個人情報に関して2件ほどクレームを頂いたことを覚えている。
一つは南九州病院に心身症によりカウンセリングを受けられている女性からで、「子どもの通っている幼稚園で、自分が南九州病院にかかっていることを知っている父兄がいた。病院の外来で南九州病院の職員に出会ったので、そのお子さんも同じ幼稚園に子どもが通っているので、きっとその人が話したに違いない」というようなものだった。一応、該当の職員に聞いてみたが全く覚えはないということ、恐らくその患者さんの被害妄想的な連想から結び付けたのではないかと推察された。
もう一つは、「近所の人で『主人が結核病棟に入院している』ことを知っている人がいた。南九州病院の放射線科の職員が近所に住んでいるので、きっと言いふらしたに違いない。うちは食品を取り扱っているので、非常に困っている」というものだった。該当の職員に聞いてみたところ、話したことはないという。
言うまでもないことだが、我々病院職員は職業上知り得た事柄を別の場所で話すと罰せられるという守秘義務がある。話す方にとっては他愛ないことでも、受け取る方にとっては深刻な事態に発展することもある。
ただ個人情報保護が行き過ぎて、安全という点では懸念される事案も増えてきている。たとえば災害時に難病の患者さんの居住地を知っておく必要があるので保健所に訊ねても訪ねても「個人情報ですから教えることはできません」という返事をもらったこともあった。「患者から自分が難病であることを教えないで欲しい」と言われていたようである。
何事も行きすぎると問題が生じることにもなるので、個人情報保護ももう一度考え直してみる事案もありそうである。