むかい風を歩くんだ(2015/01/14)
留学中にお世話になったエンゲル先生から毎年頂いていたクリスマスカードが届かなかったので、ちょっと気になっていた。昨日、マリア像の写真の裏側に、ご夫妻ともお元気で、まだ楽しく研究しているということが書き添えられたカードが届いた。現在86歳、名古屋学芸大学の現役の学長である井形先生と同じ歳である。お二人の恩師にはとても手は届かないが、私たちにとっては大切な、目標となる先達である。
さて、伊集院静は毎年、サントリーから各新聞社に掲載される広告のコラムとして、4月1日には『新社会人おめでとう』を、成人の日には『新成人おめでとう』を執筆している。私はその内容に共感することが多く、いつも注目して読んでいる。
伊集院静かといえば、昔は夏目雅子の、そして現在は篠ひろ子の夫である。昔は無頼漢のようなとらえどころのない作家というイメージを私は持っていたが、最近は真面目な作風の作品が多い。
15年ほど前、私が最もゴルフが好きになっていた時代のこと、篠ひろ子の兄の沼沢聖一を鹿児島空港まで迎えに行き、一緒に空港の近くの店でそばを食べたことがあった。その昔、篠ひろ子のファンだったこともあり、篠ひろ子のことをいろいろ話題にしたが、ちょっと迷惑そうだった。翌日空港36コースを一緒に回り、その日はいつになく調子が良かった。
沼沢は10年ほど前にはNHKのゴルフ解説をしていた。 15歳で父の勧めにより初めてゴルフクラブを持ち、なんと 1年でハンディ7になり、以来、高校卒業までにジュニア2連勝、 関東ジュニア3連勝を飾り、将来を嘱望されてプロに転向した。現在の石川遼の状況に似通っているが、眼の病気などでプロとしての活躍はそれほど芳しくなかった。
さて、今年のコラムは次のようなものである(昨年は、1月17日のこのランで紹介している)。
むかい風を歩くんだ。
成人おめでとう。
今日からみんな大人だって?そんなはずはない。
一日で大人になれるわけがない。どうしたら大人になれるかって?
こうだ、という答えはどこにもない。
その上、大人になるには近道もないし、
特急券も売っていない。
まずは家を出て、一人で風の中に立ちなさい。
そうして風に向かって歩き出すんだ。
歩きながら自分は何者かを問いなさい。そうすれば君が
まず何者でもないとわかる。それでも一人で歩くことがはじまりなんだ。
上り坂と、下り坂があれば、上り坂を行くんだ。
甘い水と、苦い水があれば、苦い水を飲みなさい。
追い風と、むかい風なら、断然、むかい風を歩くんだ。
どうして苦い方を選ぶかって?
ラクな道、甘い水は君たちに何も与えてくれないし、
むかい風の中にだけ他人の辛酸の声が聞こえるんだ。
真の大人というものは己だけのために生きない人だ。
誰かのためにベストをつくす人だ。
金や出世のためにだけに生きない、卑しくない人だ。
品性のある人こそが、真の大人なんだ。
どうだい?大人って大変だろう。しかしそうでもないさ。
ひと休みに一杯やれる。さあ大人にむかう君と乾杯。
さて、伊集院静は毎年、サントリーから各新聞社に掲載される広告のコラムとして、4月1日には『新社会人おめでとう』を、成人の日には『新成人おめでとう』を執筆している。私はその内容に共感することが多く、いつも注目して読んでいる。
伊集院静かといえば、昔は夏目雅子の、そして現在は篠ひろ子の夫である。昔は無頼漢のようなとらえどころのない作家というイメージを私は持っていたが、最近は真面目な作風の作品が多い。
15年ほど前、私が最もゴルフが好きになっていた時代のこと、篠ひろ子の兄の沼沢聖一を鹿児島空港まで迎えに行き、一緒に空港の近くの店でそばを食べたことがあった。その昔、篠ひろ子のファンだったこともあり、篠ひろ子のことをいろいろ話題にしたが、ちょっと迷惑そうだった。翌日空港36コースを一緒に回り、その日はいつになく調子が良かった。
沼沢は10年ほど前にはNHKのゴルフ解説をしていた。 15歳で父の勧めにより初めてゴルフクラブを持ち、なんと 1年でハンディ7になり、以来、高校卒業までにジュニア2連勝、 関東ジュニア3連勝を飾り、将来を嘱望されてプロに転向した。現在の石川遼の状況に似通っているが、眼の病気などでプロとしての活躍はそれほど芳しくなかった。
さて、今年のコラムは次のようなものである(昨年は、1月17日のこのランで紹介している)。
むかい風を歩くんだ。
成人おめでとう。
今日からみんな大人だって?そんなはずはない。
一日で大人になれるわけがない。どうしたら大人になれるかって?
こうだ、という答えはどこにもない。
その上、大人になるには近道もないし、
特急券も売っていない。
まずは家を出て、一人で風の中に立ちなさい。
そうして風に向かって歩き出すんだ。
歩きながら自分は何者かを問いなさい。そうすれば君が
まず何者でもないとわかる。それでも一人で歩くことがはじまりなんだ。
上り坂と、下り坂があれば、上り坂を行くんだ。
甘い水と、苦い水があれば、苦い水を飲みなさい。
追い風と、むかい風なら、断然、むかい風を歩くんだ。
どうして苦い方を選ぶかって?
ラクな道、甘い水は君たちに何も与えてくれないし、
むかい風の中にだけ他人の辛酸の声が聞こえるんだ。
真の大人というものは己だけのために生きない人だ。
誰かのためにベストをつくす人だ。
金や出世のためにだけに生きない、卑しくない人だ。
品性のある人こそが、真の大人なんだ。
どうだい?大人って大変だろう。しかしそうでもないさ。
ひと休みに一杯やれる。さあ大人にむかう君と乾杯。