蛇にまつわる話(前)(2015/03/04)
世の中は広い、そしていろいろな考え方があり、好き嫌いも人によりこれほど違うものかと思ってしまう。逆に、だからこそ人の世は面白いともいえるのだろう。
先日の南日本新聞(2月8日)に、「奄美のハブに魅せられて、新潟から大島高校に進学」という記事が載っていた。この高校生、幼いころからヘビが好きで、ハブは「体の構造も見た目も一番すごい」と思っていた。将来は「大学でハブの研究をしたい」そうである。私の価値観からいえば、本当に変わった高校生である。
というのも、まず告白しておくが、「私は「ヘビ大嫌い人間」である。
日経に「ヘビを怖がるのは本能?」という記事があった。京都大学霊長類研究所で3歳児20人、4歳児34人、成人20人に9枚の写真を見せ、花8枚とヘビ1枚の中からヘビを、ヘビ8枚と花1枚の中から花1枚を見つける時間を測定した。すると幼児でも成人と同様にヘビを見つける時間が花より数百ミリ秒早かったという。3歳児と4歳児はヘビを実際に見たことはないわけで、研究チームはヘビを怖がるのは経験ではなく本能によると推測、正高教授は「狩猟・採集をしていた時の習性が残ったのではないか」と話しているという。
確かにヘビ嫌いは、先天的に人のDNAに刷り込まれているような気もする。でもヘビを怖がらない人もいるところをみると、後天的に獲得した部分もあるかも知れない。あるいは、M師長(南九州病院時代の男性師長で、ヘビは怖がらないが大変な汗っかき)のように、発達の途上で脳みそに「汗かきのDNA」を入れるのに忙しくて「ヘビ恐怖心」を刷り込むのを神様が忘れてしまったことも考えられる。
あるとき回診のときに、奄美から来られた59歳の脊髄小脳変性症の女性が失調症特有の発声で、「私の弟は、ハブしょうだよ」と突然話しかけてきた。この「しょう」が「商」なのか「SHOW(ショウ)」なのかよくわからず、しつこくたずねるのだが要領を得ない。どうもSHOWを商売にしているようでもあり、はからずも両者の「しょう」の意味ということになる(ちなみに奄美大島ではハブを、一匹5千円(現在は3000円に値下げとか)ほどで買い上げてくれて、またお金を払えばマングースとの闘いを見せてくれる)。この会話がきっかけとなって、回診中にひととき「ヘビ」談義となったことがある。神経内科のU先生は小学生の頃、ヘビの尻尾を持って振り回して先生に怒られたという。確かにそのようないたずらっ子がいて、女の子の前で振り回すのを見た記憶がある。またさきほど紹介したM師長は沖縄で、「ヘビを首に巻いて写真を撮った」と誇らしげに言うのである。とても同じ地球上に住んでいる人種とは思えない(よくテレビで、ニシキヘビを首に巻いて登場する女優もいる)。
先日、徳之島の天城町役場に行ったら、本庁舎の横に「ハブの館」という瀟洒な建物がたっていた。保健師に聞くと、普通の生活ではハブに出くわすことはほとんどないそうで、ちょっと安心した。
先日の南日本新聞(2月8日)に、「奄美のハブに魅せられて、新潟から大島高校に進学」という記事が載っていた。この高校生、幼いころからヘビが好きで、ハブは「体の構造も見た目も一番すごい」と思っていた。将来は「大学でハブの研究をしたい」そうである。私の価値観からいえば、本当に変わった高校生である。
というのも、まず告白しておくが、「私は「ヘビ大嫌い人間」である。
日経に「ヘビを怖がるのは本能?」という記事があった。京都大学霊長類研究所で3歳児20人、4歳児34人、成人20人に9枚の写真を見せ、花8枚とヘビ1枚の中からヘビを、ヘビ8枚と花1枚の中から花1枚を見つける時間を測定した。すると幼児でも成人と同様にヘビを見つける時間が花より数百ミリ秒早かったという。3歳児と4歳児はヘビを実際に見たことはないわけで、研究チームはヘビを怖がるのは経験ではなく本能によると推測、正高教授は「狩猟・採集をしていた時の習性が残ったのではないか」と話しているという。
確かにヘビ嫌いは、先天的に人のDNAに刷り込まれているような気もする。でもヘビを怖がらない人もいるところをみると、後天的に獲得した部分もあるかも知れない。あるいは、M師長(南九州病院時代の男性師長で、ヘビは怖がらないが大変な汗っかき)のように、発達の途上で脳みそに「汗かきのDNA」を入れるのに忙しくて「ヘビ恐怖心」を刷り込むのを神様が忘れてしまったことも考えられる。
あるとき回診のときに、奄美から来られた59歳の脊髄小脳変性症の女性が失調症特有の発声で、「私の弟は、ハブしょうだよ」と突然話しかけてきた。この「しょう」が「商」なのか「SHOW(ショウ)」なのかよくわからず、しつこくたずねるのだが要領を得ない。どうもSHOWを商売にしているようでもあり、はからずも両者の「しょう」の意味ということになる(ちなみに奄美大島ではハブを、一匹5千円(現在は3000円に値下げとか)ほどで買い上げてくれて、またお金を払えばマングースとの闘いを見せてくれる)。この会話がきっかけとなって、回診中にひととき「ヘビ」談義となったことがある。神経内科のU先生は小学生の頃、ヘビの尻尾を持って振り回して先生に怒られたという。確かにそのようないたずらっ子がいて、女の子の前で振り回すのを見た記憶がある。またさきほど紹介したM師長は沖縄で、「ヘビを首に巻いて写真を撮った」と誇らしげに言うのである。とても同じ地球上に住んでいる人種とは思えない(よくテレビで、ニシキヘビを首に巻いて登場する女優もいる)。
先日、徳之島の天城町役場に行ったら、本庁舎の横に「ハブの館」という瀟洒な建物がたっていた。保健師に聞くと、普通の生活ではハブに出くわすことはほとんどないそうで、ちょっと安心した。
