Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

中村彰吾氏に聞く(1)(2015/04/27) 

月刊の医療アドミニストレーター(産労総合研究所)4月号を何気なく読んでいると、インタビュー「中村彰吾氏に聞く」というコーナーがあり、読み進むと「なるほどな」と納得する部分が多かった。
 この中村氏、現在は地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの理事・経営企画局長であるが、聖路加国際病院であの日野原重明名誉院長の下で、事務長、事業管理部長として数々の経営改革に辣腕を振い、聖路加ブランドを全国的に不動のものとしたことで有名な人であるという。医療経営士のはしり、スーパー医療経営士といった存在のようだ。
 病院の経営や運営に関して当院でも、TQM室などから多くの情報が常時発信されるようになっている。その精度も独創性も高いものも多い。医師はこのような情報に常に関心を払うことが重要であると思う。そしてこのような若者たちの中から将来、中村さんのような「医療経営士」が数多く輩出されるようになるのではないだろうかと期待している。今後の病院経営は、医師と経営のプロが二人三脚で進めることが肝要であると思う。
 思い起こせばこの長寿医療センターは、40年ほど前には都立養育院病院と呼ばれており、親友がそこに勤めていたので何度か訪問したことがあった。時は革新都政と騒がれた美濃部都政の頃で、井形教授が私たち若い医局員を勉強のために、東京の病院に国内留学させていた。当時この病院は板橋の近くにある、実にのどかな老人医療専門の病院だった。私は都立府中病院(現在は東京都立多摩医療センターに名称変更)に2年間ほど勤めたが、私にとっては初めての東京での生活であり、20歳代後半とまだ若く、公私とも刺激的で人生で最も楽しかったころかも知れない。よき師、よき友にも恵まれた。六本木の俳優座の裏にあった相模原ワインを飲むことのできたお店に、「田舎者たち」が時々集まっては「故郷」の話をしたものだった。
 さてインタビュー記事を当院の現状とも比較させながら、「なるほど」と思った箇所を4日にわたって取り上げてみた。そして(私のコメント)を挿入したが、中村さん、さすがに「餅は餅屋」だと思うことである。
★ アドミニストレーターの役割は「自分の属する組織の継続・発展のために尽くすこと」。
まずなさなければならないのは、外部環境分析である。そうすることで地域医療計画での自院のポジショニングがわかる。この病院のように高齢者を対象にした病院では、消費税が上がり、電気代があがり、年金がカットされると高齢者の生活を直撃する。その結果、患者の受診抑制が起きることが考えられる。そこで26年度の予算編成では医業収入を低めに見て、職員により一層のコスト削減への協力を得るための提案制度を復活した。その結果、在院日数の短縮では前年度から3日減ったが、逆に病床利用率が低下したので経営は悪化した。
やったこと。
① 各部門のヒアリングを行い、危機意識の共有
② 年末年始の患者確保策
③ 医師への、退院促進の一斉メール。