爽やか倶楽部(2015/06/19)
年金機構への不正アクセス問題で個人情報の漏えいが危惧され、物価スライド制による年金額改定施行後の初めての年金支給が、この6月に始まった。15日、お昼休みに病院近くの鹿児島銀行たてばば支店に立ち寄ったら、自動支払機の前には受給者で長蛇の列である。私の目的はこの日発売される予定の「爽やか倶楽部」をまとめて頂こうという魂胆だったが、一冊しか残っていなかった。
この「爽やか倶楽部」(特別号)にはここ数年、「健康エッセイ」というコーナーに寄稿させてもらっている。女性編集長(館野さん)の巻頭ルポ「こだわりを旅する」や浅田次郎さんの「連載トークエッセイ」などとともに、定番となっている。
この小冊子に書くことになったいきさつは、コーディネートを担当されているRプラン生活情報誌の有馬さんが鹿児島県年金協会の会長の鶴丸さんとラサール高校の同級生(2期生)という繋がりで紹介してもらったことに始まる。その後、お三方とは、今はなき浅草の福寿司で寿司を食べたことも懐かしい思い出である。
この小冊子が発刊されてから、「先生は信号の前ではその場足踏みされているんですか」などと尋ねられるが、人間は枝葉末節に目が行きたがることがよくわかる。ただ最近では一日10000歩を超えるのがやっとで、「過ぎたるは及ばざるがごとし」の格言通り、「ほどほど」がいいということなのかもしれない。
「歩くことの効用と楽しみ、医者の実体験を公開いたします」 (爽やか倶楽部平成27年特別号から)
かれこれ半世紀近く前の学生時代の話である。当時パチンコに夢中になり、台の真中のチューリップに金属の玉が入る瞬間の夢をよくみたものである。その「キタッ」という感覚が今回の依頼原稿のテーマ「歩くことの効用と楽しみ」と合致していた。編集長の女性とは長年のお付き合いで、まさにあうんの呼吸といえる。
2014年5月7日、南風病院のPET健診センターで鹿児島銀行のOBだという63歳の会社社長に結果の説明を行った。この男性は数年前に日赤の血液センターで、医師から「血圧を下げる薬を飲みますか、それとも歩いてみますか」と言われたそうである。以降、毎日一万歩ほど歩くようになって血圧は下がり、体調もすこぶるいいのだという。確かにコレステロール値などの経年変化をみても、確実に右肩下がりになっているのがよくわかる。
そこで私も「真似してみよう」と、翌日の8日から歩くことを決意した。腹囲も90センチを超え立派なメタボになり、血圧も血糖も基準値を少し上回っていたからである。
それまで医者の不用心を地で行くような生活だったので、「どうせ三日坊主だろう」と自分でも思っていた。「歩くこと」は金もかけずに誰でも手軽に日常生活に取り入れられることはわかっていても、これがなかなか続かない。生活習慣病対策は文字通り「快楽習慣」との闘いなのである。
ところが「歩くこと」の習慣が、なんと一年間も続いたのである。続かせるための道具として、まず万歩計(正確には歩数計)と体重計を購入した。そして病院ではできるだけ多くの女性に万歩計の「今日の歩数」を見せびらかしながら、「自分を追い込む」ことにした。黄色い声の励ましとともに「退路を断った」のである。
現在一日の歩数は厚労省の推奨している9000歩より多く、約12000歩というところである。もちろん日常生活のこまごまとした所作も「せこく」加算してのことなので、続けて一時間も散歩しているわけではない。赤信号の前で無意味と思われるその場足踏みをしている白髪の老人がいたら、それは私である。(この万歩計は過去三ヶ月間の毎日の歩数や、一週間の平均値も表示できる優れものである。極端に歩数の少ない日があると、平均値が下がってしまう。)なおこの間、食べ物の方はラーメンを食べる回数が幾分減っただけで特に変わりはない。
さて成果であるが、体重がおよそ4キロ、血圧が10から20mmHg下がり、またこの一年間の血液検査のデータでは、血糖値は下がったがコレストロール値は上がっている(思い通りにはいかないな)。 先日のNHKテレビの「団塊スタイル」でも、「歩くこと」の大切さを取り上げていた。年をとると誰しも、人に迷惑をかけることなくいくつになっても自分のことは自分でできるような生活を送りたいと願う。いわゆる「健康寿命の延長」である。日常生活の中で運動している人とそうでない人との間には、寝たきりまでの年齢が20歳も違ってくるという。
古くからの友人から「万歩計依存症候群」というありがたい称号を頂いたが、確かに「万歩計に支配される生活」が続いている。
さあ、みんなで今日から歩こう!
この「爽やか倶楽部」(特別号)にはここ数年、「健康エッセイ」というコーナーに寄稿させてもらっている。女性編集長(館野さん)の巻頭ルポ「こだわりを旅する」や浅田次郎さんの「連載トークエッセイ」などとともに、定番となっている。
この小冊子に書くことになったいきさつは、コーディネートを担当されているRプラン生活情報誌の有馬さんが鹿児島県年金協会の会長の鶴丸さんとラサール高校の同級生(2期生)という繋がりで紹介してもらったことに始まる。その後、お三方とは、今はなき浅草の福寿司で寿司を食べたことも懐かしい思い出である。
この小冊子が発刊されてから、「先生は信号の前ではその場足踏みされているんですか」などと尋ねられるが、人間は枝葉末節に目が行きたがることがよくわかる。ただ最近では一日10000歩を超えるのがやっとで、「過ぎたるは及ばざるがごとし」の格言通り、「ほどほど」がいいということなのかもしれない。
「歩くことの効用と楽しみ、医者の実体験を公開いたします」 (爽やか倶楽部平成27年特別号から)
かれこれ半世紀近く前の学生時代の話である。当時パチンコに夢中になり、台の真中のチューリップに金属の玉が入る瞬間の夢をよくみたものである。その「キタッ」という感覚が今回の依頼原稿のテーマ「歩くことの効用と楽しみ」と合致していた。編集長の女性とは長年のお付き合いで、まさにあうんの呼吸といえる。
2014年5月7日、南風病院のPET健診センターで鹿児島銀行のOBだという63歳の会社社長に結果の説明を行った。この男性は数年前に日赤の血液センターで、医師から「血圧を下げる薬を飲みますか、それとも歩いてみますか」と言われたそうである。以降、毎日一万歩ほど歩くようになって血圧は下がり、体調もすこぶるいいのだという。確かにコレステロール値などの経年変化をみても、確実に右肩下がりになっているのがよくわかる。
そこで私も「真似してみよう」と、翌日の8日から歩くことを決意した。腹囲も90センチを超え立派なメタボになり、血圧も血糖も基準値を少し上回っていたからである。
それまで医者の不用心を地で行くような生活だったので、「どうせ三日坊主だろう」と自分でも思っていた。「歩くこと」は金もかけずに誰でも手軽に日常生活に取り入れられることはわかっていても、これがなかなか続かない。生活習慣病対策は文字通り「快楽習慣」との闘いなのである。
ところが「歩くこと」の習慣が、なんと一年間も続いたのである。続かせるための道具として、まず万歩計(正確には歩数計)と体重計を購入した。そして病院ではできるだけ多くの女性に万歩計の「今日の歩数」を見せびらかしながら、「自分を追い込む」ことにした。黄色い声の励ましとともに「退路を断った」のである。
現在一日の歩数は厚労省の推奨している9000歩より多く、約12000歩というところである。もちろん日常生活のこまごまとした所作も「せこく」加算してのことなので、続けて一時間も散歩しているわけではない。赤信号の前で無意味と思われるその場足踏みをしている白髪の老人がいたら、それは私である。(この万歩計は過去三ヶ月間の毎日の歩数や、一週間の平均値も表示できる優れものである。極端に歩数の少ない日があると、平均値が下がってしまう。)なおこの間、食べ物の方はラーメンを食べる回数が幾分減っただけで特に変わりはない。
さて成果であるが、体重がおよそ4キロ、血圧が10から20mmHg下がり、またこの一年間の血液検査のデータでは、血糖値は下がったがコレストロール値は上がっている(思い通りにはいかないな)。 先日のNHKテレビの「団塊スタイル」でも、「歩くこと」の大切さを取り上げていた。年をとると誰しも、人に迷惑をかけることなくいくつになっても自分のことは自分でできるような生活を送りたいと願う。いわゆる「健康寿命の延長」である。日常生活の中で運動している人とそうでない人との間には、寝たきりまでの年齢が20歳も違ってくるという。
古くからの友人から「万歩計依存症候群」というありがたい称号を頂いたが、確かに「万歩計に支配される生活」が続いている。
さあ、みんなで今日から歩こう!
