Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

緩い組織(2015/10/13) 

伊佐市長の隈元新さんは私と同じように市職員に対して、毎朝ランを発信されている。私にも毎朝送ってくださるが、興味の持ちようも似通っているのか、テレビも同じ番組を観ておられことが多い。9月17日は「人を育てる」というタイトルで次のようなものであった(全体の真ん中の部分を勝手に省略させていただいた)。
 40歳以上になれば組織内においては、人を育てる役割も果たさなければならない。自分自身の若い時と現在の若者を比べれば、なかなか指導というにはおこがましいと感じる人もいるだろう。NHKEテレの「知恵泉」の店主がそんなことを話すところから一昨夜の番組は始まった。
斉彬公が発掘したもっとも有名な人物は西郷隆盛である。小松帯刃もその一人だが、上級武士の家系なので斉彬公の目に留まることは容易だったと思う。西郷は下級武士なので、逸材の片鱗を見抜くには斉彬公の優れた力量だと思う。江戸時代を通じて勢力を維持したことからも島津に暗君なしと言われる所以だ。・・・
・・・私は今まで大口市議会、伊佐市議会と経験してきているが、このままの議会や行政がこれから何十年ぐらい続くだろうかと疑問に思う時がある。地方議会は女性議員が少ないと言われるが、それにもまして若い議員が極端に少ない。小規模自治体の議員報酬が低いことも原因にあろう。現在の議員の報酬では子どもの教育費や進学にもかなり苦労するだろう。職員は給与体系からして高齢ほど給料が高い。それに見合った仕事量と質なら問題ないのだが、もしそこにアンバランスがあるとすれば若い職員のモチベーションは下がる。市民にとっては不幸なことである。議会一般質問の3日間の議員の質問に私は答弁しながら、時間と報酬の(給料)のコスト計算をしている。昨日の福永先生のメールを引用すれば、『時代と環境は、“緩さ”を待ってはくれない』。至極名言だ!
 最後の部分で、前日の私の言葉を引用していただいている。
 さてプロ野球もクライマックスシリーズに突入しているが、あの清武さん(2011年に読売巨人軍の専務取締役球団代表を解任されて話題となった)が「沈没する会社の共通点」(プレジデント 2015/9/18)と題して、あるインタビューに答えている。さすがに元記者だけあって傾聴に値する部分も多いので紹介したい。
まず、「働きやすい会社こそ潰れやすい」と話される。
「日本の終身雇用制度が終わったと言われて久しい。近年では、名だたる大企業とて倒産やリストラと無縁ではないのだ。意外かもしれませんが、潰れる会社、大きな問題を起こす会社は、緩く働いている人にとっては“いい会社”なんです。私は破たん前後の山一證券も取材していましたが、『しんがり 山一證券 最後の12人』の執筆のために十数年ぶりに元社員の方たちに話を聞いて、改めてそう感じました。たとえば野村證券と比べても、ノルマは厳しくないし、締め付けも激しくない。だから、社内の雰囲気もギスギスしていない。かつては“人の山一”と呼ばれていたほどの企業ですからね。きっと、人間的に優しい人、悪い言い方をすれば他動的な“善い人”も多かったのでしょう。他社が裁判を起こしてまで取引先に損失補てんを求めていたときも、山一證券はそうしなかった。できなかったのかもしれません。それが2600億円もの帳簿外債務、ひいては自主廃業につながっていったのです。優しいということは、つまり自分にも他人にも甘いということなんです。そういえば、不適切会計が明るみになった東芝も“働きやすい会社”の代表のように言われていましたよね。
問題のある企業の人間は、得てして甘い。それゆえにどうしても嫌なことを先延ばしにしてしまい、事態が収拾のつかないところまで進んでしまう。どうすればこの“先延ばし”の構造を回避できるか。「何かおかしいな」と感じたときに社員が速やかに行動できるか、しかるべき部署に通報できるか。社内のアラートシステムがスムーズに機能するよう工夫するのが上層部の役目です。「そもそも人間は弱いものなのだ」と肝に銘じて、それを前提にシステムを構築していかなくてはいけない。ですが、沈没していく多くの企業はそれができていません。たとえば上司が不正を行ったとき、衝突を恐れ、出世コースからはじかれることを恐れれば、部下は必ず“見て見ぬふり”をします。私たちは“背信の階段”と呼んでいますが、そうやって企業内には不正に目をつぶる人たちの長い階段がつながっていくのです。かつての山一證券がそうだったし、きっと東芝も同じだったのでしょう。明るみに出たのは最近でも、不適切会計に気づいていた社員はたくさんいたはずです。・・・