アンパンマン(後)(2015/10/02)
おそらくこの部分を本の最後の部分に掲載したのには、郡司さんからの居たたまれないいくつかのメッセージもあるように感じられる。
一つは質問者の山本氏のことである。
氏は「2005年9月26日参議院財政金融委員長に就任するも、12月に検診を受けて胸腺がんに侵されていることがわかり、2006年1月25日同委員長の職を辞した。同年5月22日の参議院本会議でがんに罹患していることを公表、がん対策基本法の早期成立を訴えた」。そして「がんに侵されながら、不屈の精神で法の成立に心血を注がれた。参議院での代表質問は、憲政の歴史に深く刻まれるだろう。代表として本当に誇りに思う」と、当時の民主党小澤代表の弔辞である。
一方、厚生大臣の管 直人に関しては、本書の「政治とポピュリズム」という項で、東日本大震災での対応を含めて、その政治家としてのポピュリズムを痛烈に批判している。
もう一つ、「思うこと」のなかで印象に残ったのは、「自己犠牲」という項で、「アンパンマン」についてである。
アンパンマンについて私は今までほとんど知識はなかった。ところが孫ができて、二人とも「アンパンマン」の熱烈なファンで、ラインで声掛けしても、アンパンマンがテレビで流されているとこちらを振り向こうともしないのである。
そこでアンパンマンをWikipediaで検索すると、次のように書かれている。
・・・ヒーローとしてのアンパンマンが誕生した背景には、やなせの従軍経験がある。戦中はプロパガンダ製作に関わっていたこともあり、とくに戦いのなかで「正義」というものがいかに信用しがたいものかを痛感した。しかし、これまでのヒーローは派手な格好をし、強い力、武器、必殺技を持ちながら「正義」を口にする。しかし、悪者や暴れる怪獣を徹底的にやっつけることが主であり、飢えや空腹に苦しむ者を救わなかった。また、戦いによって汚染や破壊された自然や建物に対しての後始末や謝罪がみられなかった。戦中、戦後の深刻な食糧事情もあり、当時からやなせは「人生で一番つらいことは食べられないこと」という考えをもっていた。50代で「アンパンマン」が大ヒットする以前のやなせは売れない作家であり、空腹を抱えながら「食べ物が向こうからやって来たらいいのに」と思っていたという。こういった事情が「困っている人に食べ物を届ける、立場や国が変わっても決して逆転しない正義ヒーロー」という着想につながった。アンパンマンと「正義」というテーマについて、やなせは端的に「『正義の味方』だったら、まず、食べさせること。飢えを助ける。」と述べている。
アンパンマンにこのようなメッセージが含まれていたとは、つゆ知らなかったが、郡司さんは「やなせ氏は『人間は、子供でも自己犠牲ということを理解できるようだ』と言う。しかし、残念なことには人間は成長するにしたがって自己犠牲の感覚は失われ、憎しみを強く感じるようになってしまうのかもしれない」と書かれている。確か郡司さんはクリスチャンだったので「神様が追及するのであれば」という言葉を選んだのかも知れない。
飛躍するようだが、日野原さんの記者会見(104歳になるのを前に)での発言を思い出した。
安全保障関連法をめぐって「私は絶対反対です」と語った。そして今の憲法を変えるべきではないとの考えも示した。会見ではさらに「中国の脅威」をめぐって「聖書は、殴られても殴り返すな、と教えている。日本国憲法の精神は、聖書の精神に非常に似ているところがあります」と指摘。「強力な武器を、より強力な武器でたたこうとすると悪循環になる。結論が出なくても、話し合いを続けることが必要」と述べ、武力を行使しない「非戦」の立場を貫くべきだとの考えを明らかにした。(共同通信)
一つは質問者の山本氏のことである。
氏は「2005年9月26日参議院財政金融委員長に就任するも、12月に検診を受けて胸腺がんに侵されていることがわかり、2006年1月25日同委員長の職を辞した。同年5月22日の参議院本会議でがんに罹患していることを公表、がん対策基本法の早期成立を訴えた」。そして「がんに侵されながら、不屈の精神で法の成立に心血を注がれた。参議院での代表質問は、憲政の歴史に深く刻まれるだろう。代表として本当に誇りに思う」と、当時の民主党小澤代表の弔辞である。
一方、厚生大臣の管 直人に関しては、本書の「政治とポピュリズム」という項で、東日本大震災での対応を含めて、その政治家としてのポピュリズムを痛烈に批判している。
もう一つ、「思うこと」のなかで印象に残ったのは、「自己犠牲」という項で、「アンパンマン」についてである。
アンパンマンについて私は今までほとんど知識はなかった。ところが孫ができて、二人とも「アンパンマン」の熱烈なファンで、ラインで声掛けしても、アンパンマンがテレビで流されているとこちらを振り向こうともしないのである。
そこでアンパンマンをWikipediaで検索すると、次のように書かれている。
・・・ヒーローとしてのアンパンマンが誕生した背景には、やなせの従軍経験がある。戦中はプロパガンダ製作に関わっていたこともあり、とくに戦いのなかで「正義」というものがいかに信用しがたいものかを痛感した。しかし、これまでのヒーローは派手な格好をし、強い力、武器、必殺技を持ちながら「正義」を口にする。しかし、悪者や暴れる怪獣を徹底的にやっつけることが主であり、飢えや空腹に苦しむ者を救わなかった。また、戦いによって汚染や破壊された自然や建物に対しての後始末や謝罪がみられなかった。戦中、戦後の深刻な食糧事情もあり、当時からやなせは「人生で一番つらいことは食べられないこと」という考えをもっていた。50代で「アンパンマン」が大ヒットする以前のやなせは売れない作家であり、空腹を抱えながら「食べ物が向こうからやって来たらいいのに」と思っていたという。こういった事情が「困っている人に食べ物を届ける、立場や国が変わっても決して逆転しない正義ヒーロー」という着想につながった。アンパンマンと「正義」というテーマについて、やなせは端的に「『正義の味方』だったら、まず、食べさせること。飢えを助ける。」と述べている。
アンパンマンにこのようなメッセージが含まれていたとは、つゆ知らなかったが、郡司さんは「やなせ氏は『人間は、子供でも自己犠牲ということを理解できるようだ』と言う。しかし、残念なことには人間は成長するにしたがって自己犠牲の感覚は失われ、憎しみを強く感じるようになってしまうのかもしれない」と書かれている。確か郡司さんはクリスチャンだったので「神様が追及するのであれば」という言葉を選んだのかも知れない。
飛躍するようだが、日野原さんの記者会見(104歳になるのを前に)での発言を思い出した。
安全保障関連法をめぐって「私は絶対反対です」と語った。そして今の憲法を変えるべきではないとの考えも示した。会見ではさらに「中国の脅威」をめぐって「聖書は、殴られても殴り返すな、と教えている。日本国憲法の精神は、聖書の精神に非常に似ているところがあります」と指摘。「強力な武器を、より強力な武器でたたこうとすると悪循環になる。結論が出なくても、話し合いを続けることが必要」と述べ、武力を行使しない「非戦」の立場を貫くべきだとの考えを明らかにした。(共同通信)
