Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

一人で歩きなさい(2016/01/28) 

年に2回、成人式と新入社員の入社式に掲載される伊集院静のサントリーウイスキーの新聞広告はずいぶん長いこと続いているが、若人へのメッセージ性の高い含蓄の深い内容である。
今年は「一人で歩きなさい」というタイトルである。
成人おめでとう。
今日から大人と言われてもピンと来ないだろう。
私もそうだった。大人なんかになりたくないという気持ちと、大人って何だよ?と半分バカにもしていた。
しかし歳月は否応なしに私の前を通り過ぎた。口惜しかったり、妬んだり、逆上したり、もうダメだとあきらめたり、怒ったり、半ベソもかいた・・・・
ともかく失敗だらけだった。それでも何とか生きてこられたのはさまざまな人の生き方に教えられ、学んだからだ。
そのことを今日の機会に話しておこう。
淋しいだろうが、一人で歩きなさい。孤独を学びなさい。
孤独を知ることは、他人を知ることだ。
苦しいだろうが、道を選ぶとき、ラクな道を選ぶな。苦しい時間こそが人を成長させる。
辛いだろうが、自分だけのために生きるな。そうすれば”品格ある生き方”とは何なのかがわかる。
人生は自分だけが出世、贅沢をするのが目的ではない。金で手に入るものなどタカが知れている。
最後に何より大切なことは、元気で明るい若者でいることだ。元気に、口惜しがれ。明るく、泣きじゃくれ。
少し厳しい話だったが、大人のすべてがそうじゃない。
怒って、泣いて、笑った後で、二十歳の乾杯をしよう。
二十歳の君に乾杯。 伊集院静
 伊集院は作家という仕事柄、自分の人生を包み隠すことなく赤裸々に公表してきたが、確かに若いうちは無頼を気取ったり、破天荒な生き方をしてきている。「ともかく 失敗だらけだった」という言葉に表れている。
現在の奥さんはあの篠ひろ子で、私はファンだった。十数年前、ゴルフに夢中のころ「快打会」の副会長をしていたこともあって、篠の弟の沼沢聖一プロ(NHKのゴルフ解説などもしていた)を空港に迎えに行ったことがあった。空港近くのそば屋さんで昼食をとったときも、もっぱら篠のことを聞いていたことがある。当時、「仙台で、犬とともに暮らしています」ということだった。
 私は伊集院の著作はさほど多くは読んでいないが、最近のそれは真面目で読み応えのあるものが多い。