富士(2016/01/20)
今日は大腸がんの当院でのダ・ビンチ第一例目の手術日である。(成功を祈って)目出度さを富士山にあやかろうということではないが、日高君の富士のグラフィックを紹介したいと思う。
飛行機の窓から富士山を眺めると、こんなに美しい山がどうしてできたのだろうかと思ってしまう。昨年、ブラタモリで、そのあたりのことを詳しく説明していた。また日経(1月9日)の理化学親子スクールでは「富士山はどうして、こんなに高いの?」というタイトルに「同じ場所で噴火を繰り返したからだよ」と答えている。富士山は同じ場所で4回の大きな噴火を繰り返したことで、高さと広大な裾野を持つ今の姿に成長したということである。
タモリは70歳にして初めて頂上まで登ったということだが、私は五合目までは車で行ったことがあるが、登ったことはない。機会があれば是非とも登りたい山だが、もう無理かも知れない。
日高君も富士山のグラフィックを何枚か描いている。彼の作品には珍しく、力強い表現で抽象化している。彼の内面のマグマを表したかったのだろう。
筋ジスの患者さんは、スポーツと山にあこがれる人が多い。日高君が先輩として尊敬していた轟木敏秀君は冒険家の植村直己の大ファンで、「棺桶には生前、私の好きだった植村直己の本を入れてほしい」というのが遺言だった。その轟木君がちょうど20年ほど前に「飛行機からでも富士山を見たい」と言い出したことがあった。彼をサポートしていた東京のボランティアグループが、大学での講演を企画したことがあった。私は同行することはいとわなかったが、もし機内で状態が悪くなったら(その時点で、かなり重度の状態だった)多くの乗客に迷惑をかけてしまうこと、敏秀だけを特別扱いにするのはよくないという二つの理由で、結果的には実現しなかった。富士を見るたびに、このことを思い出してしまう。亡くなる2ヶ月ほど前に、山田君に預けた短歌の中から、私の好きな歌を勝手に紹介する。
身を揺らす段差の振動心地よきベッドをおされて行く小道
新しく庭に加はる桜木は退官迎へし医師のあしあと
胸深く残るおもいは無意識に君を呼び来る夢の最中へ
噴煙を上げる姿は父のごと穏やかな日は母のごとしも
誕生日は私と同じ1月8日4月より来た新人ナース
出来るならタイムマシンで時を超え戻ってみたい一瞬がある
埋められね貴方と私の距離がある会えただけでも奇跡と思ふ
揺れ動く心を常に隠しをり何故か気になる君の前では
明日もまた君の笑顔に会いたくて胸の想いは告げずにおこう
近そうではるかに遠く感じたり私と貴方の現実の距離
我がこころ支ふる一つの柱なり膨らみかけた君への想ひ
すぐそぱに君が見えても私にはなすすべのなき壁の立ちたり
おそらくは最後になると思ふ恋伝えられない現実があり
君宛に書きたるレターは友の手にあずけて遠き春を待ちをり
またいつか会える奇跡を胸に秘め卯月の雨音聞きて眠らむ
飛行機の窓から富士山を眺めると、こんなに美しい山がどうしてできたのだろうかと思ってしまう。昨年、ブラタモリで、そのあたりのことを詳しく説明していた。また日経(1月9日)の理化学親子スクールでは「富士山はどうして、こんなに高いの?」というタイトルに「同じ場所で噴火を繰り返したからだよ」と答えている。富士山は同じ場所で4回の大きな噴火を繰り返したことで、高さと広大な裾野を持つ今の姿に成長したということである。
タモリは70歳にして初めて頂上まで登ったということだが、私は五合目までは車で行ったことがあるが、登ったことはない。機会があれば是非とも登りたい山だが、もう無理かも知れない。
日高君も富士山のグラフィックを何枚か描いている。彼の作品には珍しく、力強い表現で抽象化している。彼の内面のマグマを表したかったのだろう。
筋ジスの患者さんは、スポーツと山にあこがれる人が多い。日高君が先輩として尊敬していた轟木敏秀君は冒険家の植村直己の大ファンで、「棺桶には生前、私の好きだった植村直己の本を入れてほしい」というのが遺言だった。その轟木君がちょうど20年ほど前に「飛行機からでも富士山を見たい」と言い出したことがあった。彼をサポートしていた東京のボランティアグループが、大学での講演を企画したことがあった。私は同行することはいとわなかったが、もし機内で状態が悪くなったら(その時点で、かなり重度の状態だった)多くの乗客に迷惑をかけてしまうこと、敏秀だけを特別扱いにするのはよくないという二つの理由で、結果的には実現しなかった。富士を見るたびに、このことを思い出してしまう。亡くなる2ヶ月ほど前に、山田君に預けた短歌の中から、私の好きな歌を勝手に紹介する。
身を揺らす段差の振動心地よきベッドをおされて行く小道
新しく庭に加はる桜木は退官迎へし医師のあしあと
胸深く残るおもいは無意識に君を呼び来る夢の最中へ
噴煙を上げる姿は父のごと穏やかな日は母のごとしも
誕生日は私と同じ1月8日4月より来た新人ナース
出来るならタイムマシンで時を超え戻ってみたい一瞬がある
埋められね貴方と私の距離がある会えただけでも奇跡と思ふ
揺れ動く心を常に隠しをり何故か気になる君の前では
明日もまた君の笑顔に会いたくて胸の想いは告げずにおこう
近そうではるかに遠く感じたり私と貴方の現実の距離
我がこころ支ふる一つの柱なり膨らみかけた君への想ひ
すぐそぱに君が見えても私にはなすすべのなき壁の立ちたり
おそらくは最後になると思ふ恋伝えられない現実があり
君宛に書きたるレターは友の手にあずけて遠き春を待ちをり
またいつか会える奇跡を胸に秘め卯月の雨音聞きて眠らむ
