28年度の経営(中)(2016/04/28)
江藤さんが用意した3枚目のスライドのタイトルは、「これからに備える、不況を生かす」というものだった。すなわちこのピンチをいかにしてチャンスに変えられるか、ということである。
南風病院として、病院全体を思い切って変えるべき時期かも知れない。「経費構造をどのように変えていくか」「収入構造をどう変えていくか」というような、病院経営の根幹を考えるまたとないチャンスとして捉えるべきではないだろうか。
私も南風病院に来たときに不思議に感じていたのは、稼働率が低いのにそこそこの収益を上げることのできる構造だった。その理由は暫定調整係数により、収入がある程度担保されてきたからである。この暫定調整係数とはDPC制度に入る前の報酬を担保する係数で、2012年から2018年までに、収益減少の激変緩和措置として計4回に亘って段階的に引き下げられてきたもので、2016年度は第3回目となる。そして2018年度はこの係数はなくなり、医療評価係数Ⅱをどれくらい挙げられるかにかかってくる。当院にあてはめると今年度は暫定調整係数で一億円の減、機能評価係数Ⅱで5千万円の増、差し引き5千万円の減収となる計算である。
思うにこの暫定調整係数のお蔭で、今まで病院幹部も職員も危機感が薄かったのではないだろうか。今後は従来の病床稼働率では、今の費用構成(支出の部分を変えることなく)での経営は厳しいものと認識したい。
先日の経営会議で、「4月の診療報酬改定で重症度が25%に引き上げられるので、7:1の入院管理料を維持するためには、たとえ稼働率を落としても、たとえ赤字になってもこの基準を死守しなければならないことを病院の方針だと言っていたのに、稼働率も挙げて今度は二兎を追えというのはおかしいのではないか」という意見も出された。確かに、4月初めの行動計画会でもそのように言ったことは否定しないが、「新入院患者を断らないで欲しい」という意味が込められている。
4月の重症度はどうにか27%近くであるが(本当はもう少しあがるのかな、と思っていた)、稼働率がかなり低くなっており、28年度の事業計画を考えると、この稼働率では病院経営上、かなり厳しくなるという危機感が生じてきた。2018年までは多少の赤字は目をつぶろうと覚悟はしているが、それでも大幅になっては困るし、なんと言っても「この時期に患者を断っていては・・・」という危機感があったのである。前言を翻したわけでは決してなく、25%は死守していかなければならない。それでも稼働率をある程度維持するためには、一人でも新入院患者を増やしてほしいというお願いである。
何度も繰り返すが、増収策として最も重要なことは新入院患者を増やすことに尽きる。そのためには病院全体で取り組まなければならないが、特に診療部の医師の責任は大である。当院の場合、救急を含めてウオークインで自ら受診される患者と、地域の医療機関からの紹介で受診される患者からなる。まずは救急搬送を含めて「いかなる場合にも救急患者を断らない」ようにしてほしい。救急隊もある程度熟慮の上に搬送先を決めているだろうから、そんなに場違いな患者が当院にくることは少ないのではないだろうか。ある医局からは「当科から派遣している医師には、専門外の救急患者は扱わせないで欲しい」という要望があったことも承知している。理想をいえば専門の患者だけを診るにこしたことはないが、地域医療の現実はそんなに甘くない。都市部の大病院の救急部のようにすべての診療科の医師を配置しておくことなど夢物語である。限られた医療資源の中で対応していくより他ないのである。眼前に医療を求める患者がいたら、とりあえず診るのは医師のモラルといえないだろうか。
この4月からの重症度の25%のアップで、入院時に退院のことも考えておかないと在院日数も延びるし重症度も下がってしまうことを心配してくれる医師もおられるかも知れない。ただ入院後の退院先などについては、医療連携・相談支援室が責任を持ってあたるといってくれている。
また地域の先生方の信頼を得るためにも、紹介された患者を断わらないことである。断ってしまうと、二度と紹介してくれなくなる。病院側の都合で「好ましい」患者だけを送ってくれるわけではないが、きっとその帳尻はどこかで返してくれるものである。また逆も真である。
南風病院として、病院全体を思い切って変えるべき時期かも知れない。「経費構造をどのように変えていくか」「収入構造をどう変えていくか」というような、病院経営の根幹を考えるまたとないチャンスとして捉えるべきではないだろうか。
私も南風病院に来たときに不思議に感じていたのは、稼働率が低いのにそこそこの収益を上げることのできる構造だった。その理由は暫定調整係数により、収入がある程度担保されてきたからである。この暫定調整係数とはDPC制度に入る前の報酬を担保する係数で、2012年から2018年までに、収益減少の激変緩和措置として計4回に亘って段階的に引き下げられてきたもので、2016年度は第3回目となる。そして2018年度はこの係数はなくなり、医療評価係数Ⅱをどれくらい挙げられるかにかかってくる。当院にあてはめると今年度は暫定調整係数で一億円の減、機能評価係数Ⅱで5千万円の増、差し引き5千万円の減収となる計算である。
思うにこの暫定調整係数のお蔭で、今まで病院幹部も職員も危機感が薄かったのではないだろうか。今後は従来の病床稼働率では、今の費用構成(支出の部分を変えることなく)での経営は厳しいものと認識したい。
先日の経営会議で、「4月の診療報酬改定で重症度が25%に引き上げられるので、7:1の入院管理料を維持するためには、たとえ稼働率を落としても、たとえ赤字になってもこの基準を死守しなければならないことを病院の方針だと言っていたのに、稼働率も挙げて今度は二兎を追えというのはおかしいのではないか」という意見も出された。確かに、4月初めの行動計画会でもそのように言ったことは否定しないが、「新入院患者を断らないで欲しい」という意味が込められている。
4月の重症度はどうにか27%近くであるが(本当はもう少しあがるのかな、と思っていた)、稼働率がかなり低くなっており、28年度の事業計画を考えると、この稼働率では病院経営上、かなり厳しくなるという危機感が生じてきた。2018年までは多少の赤字は目をつぶろうと覚悟はしているが、それでも大幅になっては困るし、なんと言っても「この時期に患者を断っていては・・・」という危機感があったのである。前言を翻したわけでは決してなく、25%は死守していかなければならない。それでも稼働率をある程度維持するためには、一人でも新入院患者を増やしてほしいというお願いである。
何度も繰り返すが、増収策として最も重要なことは新入院患者を増やすことに尽きる。そのためには病院全体で取り組まなければならないが、特に診療部の医師の責任は大である。当院の場合、救急を含めてウオークインで自ら受診される患者と、地域の医療機関からの紹介で受診される患者からなる。まずは救急搬送を含めて「いかなる場合にも救急患者を断らない」ようにしてほしい。救急隊もある程度熟慮の上に搬送先を決めているだろうから、そんなに場違いな患者が当院にくることは少ないのではないだろうか。ある医局からは「当科から派遣している医師には、専門外の救急患者は扱わせないで欲しい」という要望があったことも承知している。理想をいえば専門の患者だけを診るにこしたことはないが、地域医療の現実はそんなに甘くない。都市部の大病院の救急部のようにすべての診療科の医師を配置しておくことなど夢物語である。限られた医療資源の中で対応していくより他ないのである。眼前に医療を求める患者がいたら、とりあえず診るのは医師のモラルといえないだろうか。
この4月からの重症度の25%のアップで、入院時に退院のことも考えておかないと在院日数も延びるし重症度も下がってしまうことを心配してくれる医師もおられるかも知れない。ただ入院後の退院先などについては、医療連携・相談支援室が責任を持ってあたるといってくれている。
また地域の先生方の信頼を得るためにも、紹介された患者を断わらないことである。断ってしまうと、二度と紹介してくれなくなる。病院側の都合で「好ましい」患者だけを送ってくれるわけではないが、きっとその帳尻はどこかで返してくれるものである。また逆も真である。
