Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

セイフティマネジメント研究会(後)(2016/06/30) 

昼食時間を利用して、世話人会を開催して来年度の大まかな計画を立てることにした。当番世話人は原口先生(鹿屋医療センター)で、期日は6月24日(土)、場所は同じ自治会館に決まった。
学術集会のテーマと特別講演の演者については、今回のテーマを引き継ぐ形で、日常臨床に関連の深い「摂食嚥下」として演者に野崎園子先生を、もう一つはニューマンエラー関連で、演者に塚原利夫先生(かって片輪着陸を見事に成功させた伝説的なパイロット、現在はヒューマンエラーの領域で活躍中)に絞られた。結局、来年度は今年のテーマを引き継ぐために野崎先生にお願いして、塚原先生にはその後にお願いすることに決まった。
14時から学術集会は始まったが、私は簡単な挨拶をした。
この学術集会は今年で4年目を迎えますが、毎年多くの方々に参加していただいております。特に今年度は、ハンズオンに従来からのテルモ株式会社に加えて、パラマウント株式会社も参加していただけることとなりました。厚く御礼申し上げます。そして今年から、地域の医療安全は病院だけでなく、老健施設や介護施設でも重要なことであるという認識で、介護職などの職種の方にも呼びかけを行い、シンポジウムや講演のテーマも日常経験することの多い「転倒・転落事故防止」に焦点を当てました。また特別講演には医療安全管理の草分けでありレジェンドともいえる川村治子先生をお招きすることができました。
最後まで、積極的にこの学術集会にご参加ください。(終)
さて、「地域に求められる医療安全」というシンポジウムでは、4人のシンポジストが時間をよく厳守してくれたので、20分ほどの討議時間もとることができた。15時30分にちょうど終わり、30分の(トイレ)休憩をとった。ちょっと長すぎると思ったが、女子トイレの混雑ぶりを見るとやむを得ないのかな。
川村さんの講演は16時に始まり、17時過ぎに終了した。内容の詳細は省くが、さすがに素晴らしい講演で、「今までモヤモヤしていたものがスキッと整理されたように感じています。明日からの現場での仕事にいかされそうです」というコメントが会場からあがった。彼女の講演はいつ聞いても明快で説得力があるし、一言もおろそかにしない理性的な緻密さと、医療従事者へのあたたかい心配りがよく融合されている。転倒転落対策という難しい問題をこのように講演できる人は、彼女を置いて他にいないと思うことだった。
スライドの最後の「病院(施設)における転倒・転落事故の法的責任を考える(私見)」のみを転載させてもらう。
■ 患者の自力行動中の転倒・転落事故
看護(介護)水準に合致した合理的対策をとっている施設では、責任を問うべきではない。(環境上の重大な瑕疵がないならば)
■ 看護師(介護士)介助下の転倒・転落事故
発生が予測可能な状況において明らかに不適切な介助(手順の逸脱など)や不注意な観察があれば、責任を問われうる。
■ 発生後のケガなどの見落としで重大な結果となった転倒・転落事故
重大なケガの発生が予測可能な状況で、漫然とした観察で発見が遅れたならば、責任を問われうる。
17時半ごろから簡単な懇親会も開かれ、今回で世話人を辞められる田辺先生が挨拶してくれた。