Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

初宮参り(2016/09/29) 

人はどうしても自分を中心にものを考える。またNHKなどのニュース報道も、東京を中心にして考えがちである。
 先日の台風16号で、私は鹿児島市付近を猛烈な台風が通過するようだということで覚悟を決めていたが、翌朝病院に出勤した時に見た車窓からの風景はいつもとさほど変わらなかったので、つい「台風一過」というような呑気な表現になってしまった。秋分の日の南日本新聞の一面の大見出しは「鹿県住家全半壊95棟」となっている。大隅半島や薩摩半島の枕崎市などでは大きな被害があり、長い間停電が続いたし、垂水フェリーも流木が港に押し寄せて欠航になっていた。
 さて9月22日、秋分の日に6月5日に生まれた孫の隼生君のお宮参りをすることになった。病院に長く入院していたこともあって、少し遅い「初宮参り」となった。この行事は誕生を氏神様に報告し、健やかな成長を神に願うという伝統行事である。
 九州病院のNICUに入院した時には、命だけでも助かって欲しいというのが正直な気持ちだったが、隼生君の生命力と的確な治療の甲斐もあって無事に退院することができた。このような日が来ようとは、今日は文字通り神様に感謝である。
 さて当日、鹿児島の朝の天気は薄曇り、新山口駅に向けて鹿児島中央駅発9時40分発の新幹線に乗車した。今回初めてジパング倶楽部(あらかじめ会員料金を払って会員になると、3回目までが2割引きで、以降は3割引きになるという)でチケットを購入した。指定席をとったが、車内は空いている。車窓から眺められる景色はすっかり秋で、黄色く色づいた稲穂とあぜ道に咲く真っ赤な彼岸花のコントラストは平和な日本の原風景ともいえる。
 約2時間ちょっとで新山口駅に到着した。駅前で寿司を食べて、乗り合いバスで約30分で湯田温泉である。宿泊予定のホテルニュータナカに荷物を預けてマンションに。そして吉岡家のお母さん、娘家族、家内の7人で山口大神宮へと向かった。曇り空から時々小雨がぱらついている。
 この神社は「1520年に大内義興が朝廷に奏聞して勅許を得、伊勢皇太神宮のご分霊を勧請した神社」というだけあって、長い階段の参道が続き見るからに古い社である。
 同じような若い夫婦と二組が一緒に、祝詞をあげてもらった。隼生君は吉岡のお婆ちゃんに抱かれて、いつもながら泣き声一つあげない。病院でのしつけが行き届いていたのか、ぐずることはなく、起きて愛嬌を振る舞うとき以外はすやすやと寝ている。芽生ちゃんの時には抱っこひもで、歩きながら寝かせつけていたことを考えると、子供でもこれほど違うものかと驚いてしまう。その芽生ちゃんも今はお姉さんぶりを発揮して、ママの手伝いや隼生君を上手に遊ばせている。芽生ちゃんは鹿児島で生まれたので、照国神社でお宮参りをした。あの時にはまだ義母も健在で、一緒に宮参りをした。年年歳歳、人同じからずや、である。
 夕方から割烹吉岡で、萩から来られた吉岡家の親族と一緒に、お祝いの席となった。もちろん隼生君が主役であるが、ぐずることなく笑顔で答えたり、済んだらすやすやと寝てしまっている。吉岡君が隼生君のために精魂を傾けて作った料理だけあっていずれも美味しく、酒もちょっと飲みすぎてしまった。
 山口といえば、KYTのアナウンサーで私の南九州病院退官記念祝賀会でも司会をお願いした(南風病院の60周年市民講演会でも)前畑静香さんが退職されて、10月から湯田温泉の近くに転居されるという。これも不思議な「ご縁」である。