怒り(後)(2016/09/28)
翌日18日は朝8時20分から天文館シネマパラダイスで、前評判の高い「怒り」を観に行った。朝早いこともあってか観客は10人ぐらいと閑散としている。今や発券は全てワンタッチの器械でするようになっており、シニア料金の1100円、入口で年齢確認もなくスルーできることが嬉しいような悲しいような。びっくりしたのは、映画が始まって一時間ほどした時、画面が突然フリーズしたのである。昔の田舎の映画館ならともかく珍しい経験で、しばらくそのまま待っていた。状況は変わらないので係の人を呼びに行こうと思ったら別の人が立ってくれた。この間、3,4分ほど。帰るときには出口で「すみませんでした」という謝りの挨拶とドリンク券まで頂いた。
ところでこの「怒り」という映画は、以前、原作者が吉田修一、監督が李相日というコンビの「悪人」を観たこともあり、楽しみにしていた映画である。またANA機の機内誌のエッセイでも吉田自身が製作の模様などを語っており、キャストも日本の映画界を代表する渡辺謙をはじめ森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡などトップクラスの俳優たちが共演していることもあり楽しみにしていたのである。宮崎はこの映画のために、7キロも体重を増やしたという。
この映画は数年前の市橋達也事件(外国人英語教師を殺して、顔を整形して2年近く逃亡していた事件)をヒントにしている。
ある夏の暑い日に東京・八王子で起こった残忍な夫婦殺人事件、犯人は現場の風呂場の壁に「怒」という血文字を残し、顔を整形してどこかへ逃亡した。犯人は山神一也という人物だと判明するものの、未逮捕から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所で、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こるドラマである。
このタイトルの『怒り』が何を意味しているのか、何に対する怒りだったのか今もって釈然としない。犯人は特定の事柄に対する「怒り」ではなく、社会全般に対するどうしようもない苛立ちや不満を「怒」という文字に託したかったのではないだろうか。人間、誰しもそのような時がある。それとも愛する者を「信じきれなかった自分自身」への怒りなのだろうか。
映画の中で、それぞれの場所でそれぞれの男に出会う人々の葛藤に共通していることは、素性の知れない人を「信じる」ことの難しさである。疑心暗鬼の気持ちが芽生えると、人間はそれを簡単には乗り越えられないものである。
18日の午後は、黎明館に「マッケンジー・ソープ展」を観に行った。岩崎さんからも薦められており、「NPO法人自立生活センターてくてく」も共催の一つに加えられている。画家のプロフィールには「1956年イギリスの生まれで、希望、愛、喜びをテーマに、心にしみわたるような温かい作品を描きます」と書かれている。幼少時代は貧困とディスレクシア(文字の読み書きが困難)のために生きる上でも困難を極めたという。ただ一つ、彼の希望は絵を描くことだったという。
ところでこの「怒り」という映画は、以前、原作者が吉田修一、監督が李相日というコンビの「悪人」を観たこともあり、楽しみにしていた映画である。またANA機の機内誌のエッセイでも吉田自身が製作の模様などを語っており、キャストも日本の映画界を代表する渡辺謙をはじめ森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡などトップクラスの俳優たちが共演していることもあり楽しみにしていたのである。宮崎はこの映画のために、7キロも体重を増やしたという。
この映画は数年前の市橋達也事件(外国人英語教師を殺して、顔を整形して2年近く逃亡していた事件)をヒントにしている。
ある夏の暑い日に東京・八王子で起こった残忍な夫婦殺人事件、犯人は現場の風呂場の壁に「怒」という血文字を残し、顔を整形してどこかへ逃亡した。犯人は山神一也という人物だと判明するものの、未逮捕から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所で、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こるドラマである。
このタイトルの『怒り』が何を意味しているのか、何に対する怒りだったのか今もって釈然としない。犯人は特定の事柄に対する「怒り」ではなく、社会全般に対するどうしようもない苛立ちや不満を「怒」という文字に託したかったのではないだろうか。人間、誰しもそのような時がある。それとも愛する者を「信じきれなかった自分自身」への怒りなのだろうか。
映画の中で、それぞれの場所でそれぞれの男に出会う人々の葛藤に共通していることは、素性の知れない人を「信じる」ことの難しさである。疑心暗鬼の気持ちが芽生えると、人間はそれを簡単には乗り越えられないものである。
18日の午後は、黎明館に「マッケンジー・ソープ展」を観に行った。岩崎さんからも薦められており、「NPO法人自立生活センターてくてく」も共催の一つに加えられている。画家のプロフィールには「1956年イギリスの生まれで、希望、愛、喜びをテーマに、心にしみわたるような温かい作品を描きます」と書かれている。幼少時代は貧困とディスレクシア(文字の読み書きが困難)のために生きる上でも困難を極めたという。ただ一つ、彼の希望は絵を描くことだったという。
