Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

奄美大島の旅(7)(2016/11/17) 

翌日は10時から、場所を県奄美支庁舎の4階に移して「患者交流会」が開かれた。 ロノ字形の机を配置して、患者・家族と保健所の保健師、私と里中さん、前田さんである。患者はALS4人、パーキンソン病5人、多発性硬化症と進行性核上性麻痺がお一人ずつと、11人が椅子に座って交流会は始められた。それぞれに数分ずつ現状など話してもらって、あとで私がまとめて疑問などに答えるというやり方にした。保健所の保健師にあらかじめ白板を用意してもらい、話された内容を箇条書きに簡単に書き留めていたので、あとでまとめる時に役にたった。
 最初の76歳の宇検村から来られたALSの女性は都会からのUターン療養である(昨日のシンポでも紹介された患者で、浅尾さんも付き添って来られていた)が、有能なケアマネや熱心な保健師に支えられて、有意義な療養生活を送られているようである。「一人ではない」、「くよくよしない」というご本人の言葉が印象に残った。またパーキンソン病の患者は、難病と診断され途方に暮れたが、このような相談会でいろいろな人がいることを知り、情報を共有し、いろいろな話を聞けるのは有難いと話されていた。
 一人一人が決まられた時間内に手際よく話されたので、私も十分に話す時間を持つことができた。一人一人の質問に簡単に答えたのち、次のように締めくくった。
 まず、難病では病気をよく知ることは大切です。でも経過も人それぞれであるということを頭に入れていてください。そして必要以上には心配しないことです。またかかりつけ医、訪問してくださる保健師、看護師、介護士とは「いい関係で」、そして最後まであきらめずにがんばりましょう。一日一日を一生懸命に生きて、精一杯やったという充実感や満足感、達成感を持って一日を終えましょう。決して一人ぼっちではないという連帯感、病気であるあなたもそのままで、周りのみんなにとっても大切な存在であるのです。誰かがいつもあなたのことを、気にかけていてくれるのです。 この時には40分ほど話したが、声はガラガラに変質していたが、幸いにも途中でせき込んで止めるようなことはなかった。
 12時過ぎに車に乗って空港に向かった。途中で、鶏飯が有名だという「ひさ倉」で昼食をとった。座敷で食べていると、薬剤部の益田さんから突然声を掛けられた。その日の夕方に、鹿児島県病院薬剤師会の研修会が県立大島病院で予定されており、その中で病棟薬剤師の業務について発表するという。病院メールに「本日、昼食時に奄美の鶏飯屋さんで声をかけさせていただきました。たくさんいる職員のなかの一人の私が突然、声をかけてしまい、失礼だったのではないかと反省しております」とあるが、決して失礼には当たらないので、「どうぞ、声をかけてください」という気分である。
 帰りの飛行機は15時30分発で、16時45分には鹿児島空港に着陸、17時からの衛生委員会、そして管理会議には余裕で間に合うことができた。