Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

「御用納め」(2016/12/28) 

12月28日、今日は「御用納め」の日ですね。ネットで調べると、「御用」という言葉は、宮中や幕府などの用命や公務のことをいい、行政機関など公務に携わる人は年の最後の公務を「御用納め」と呼んでいるのだそうです。そういえばドラマの捕り物帳では、「御用だ、御用だ」とよく叫んでいますね。これは法律にも定められており、12月29日から翌年の1月3日までを休日で、最後の業務日となる12月28日が「御用納め」となるそうです。
 企業や民間の病院では、当院のように30日が「仕事納め」で、日本証券取引所の「大納会」も30日です。私は国立の南九州病院に30年間も務めていましたので、「御用納め」が身についていました(大会議室で、職員の前で挨拶する習わしがあったものです)が、患者さんの立場からしますと、1週間近くも休まれてはたまったものではないですね。その時にはあまり不思議に感じませんでしたが、御用納めも「お上」の発想のなせることかもしれません。
 昨年の12月25日に電通に務める女性の新入職職員が「過労自殺」したということで、労働基準監督署による就業時間の徹底が厳しくなっています。私自身は長い事、管理職の任にあったことや、もともとその辺りのことにはルーズなこともあって、若いころから就業時間という概念そのものがあまりありませんでした。医師という仕事を選択した段階で、「必要悪」だと割り切っていたふしもあります。もちろん院長という立場では、職員の就業時間については規則通りにしてほしい、過労死などすることがあってはならないと思っています。
さてこの一年、個人的には大きな健康上の問題もありませんでしたので、今年も元旦から(出張で留守した以外)、大方土日も含めて4時起床で4時半前後には病院に着いていました。南九州病院時代も、私が一番早く出勤していたので習慣化されています。習慣とは不思議なもので、30分朝寝してその後の早朝の時間の組み立てがずれていくと、体調がシャキッとしません。早起きは健康のためで、極めて個人的なことです。ただこのような時間スタイルでは被害者もいるわけで、まず家内には「大迷惑」をかけてしまっているということになります。今更になりますが、「そのような人と一緒になって・・・」とあきらめてもらうより他ありません。
来年はいよいよ古希を迎えます。
昨日、稲元さん(師長として、私と長い間筋ジス病棟での仕事や在宅医療を手がけてきた)から、「母が生前に、70の坂は厳しいと言っていました」というメールを頂きましたが、先達の言葉は貴重です。日本人の平均寿命を考えますと残された時間は少なく、上手くいってもあと10年近くの命です。このような生活スタイルで一生を終えるのも、冷静に考えると味気ない気もします。ライフワークバランスからいうと、ワークに偏った人生だったことは明らかです。残された時間、事情が許せるなら、「もう少しはライフも楽しんで」という気持ちもありますがどうなることやら。人に誇れるほどいい趣味も持ち合わせておりませんので、時間に余裕が生まれるとかえってストレスに感じるのかも知れません。職員の方々には大切にしていただいておりますし、お役にたてるとしたら、もうしばらくこの仕事を続けることになるのでしょうか(ほどほどにしたら、というささやきも聞こえてきます)。 十数年続いたこの雑感も、「そろそろ潮時では?」という心の中のささやきも、また聞こえてきます。ともあれ、一年間、つたない雑感に付き合って頂いた方々にはお礼を申し述べたいと思います。