安楽死は是か非か(前)(2017/02/24)
福岡市に家内の叔母の通夜に参列することになり、新幹線での読み物を本屋さんで探していたとき、文藝春秋(3月号)の表紙のタイトル、著名人60名アンケート「安楽死は是か非か」という文字が目に飛び込んできた。このことに関しては、ちょうど一週間前に岡山市での緩和ケア研究会でも議論された問題だったからである。
さて特集であるが、2016年12月号に掲載された、脚本家の橋田壽賀子氏(91歳)の論考で、次のような問題提起を行っている。
「私は安楽死で逝きたい」が大きな反響があったことがこの特集のきっかけになったのだという。この論考で橋田氏は「私は八十歳を過ぎたころから、もし認知症になったら安楽死が一番と思っています」。
「介護離職して面倒を見ていた息子が絶望して寝たきりの親を殺したり、老老介護の果てに無理心中といった胸の痛むニュースを見るたびに、安楽死の制度があればそうした悲劇も防げるのに、と思うのです」。
「日本でもスイスのように安楽死を認める法律を早く整備すべきだと思います」。
本特集では「超高齢社会に入った日本でも、これまでタブー視されてきた『安楽死』や『尊厳死』について、真剣に議論する時期を迎えているのではないか」、そして「延命治療を行わない、いわゆる『自然死』と呼ばれる死に方については、既に日本国内でも特定の現場では定着し始めている。法整備に比べ、現場が先行しているのが実情だ」と述べている。
ちなみに「安楽死」は欧州のスイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、アメリカのカルフォルニア州などで認められている。実施に当たっては、各国がそれぞれ厳格に基準を作っており、「尊厳死」についてはアジアでも近年、韓国や台湾で法制化された。
今回、各界の著名人(146人に送付して60人から回答)に、「日本は安楽死を認めるべきか」というテーマのアンケートを実施した。
A:安楽死に賛成。安楽死の定義は、回復の見込みのない病気の患者が薬物などを服用し、死を選択することで、積極的安楽死といわれるものである。
B:尊厳死に限り賛成。尊厳死の定義は、患者の意思によって延命治療を行わない、または中止すること、となっている。
C:安楽死、尊厳死に反対。
その結果は、私にはちょっと意外であった。
実名も記されているが、安楽死に賛成(33人)、尊厳死に限り賛成(20人)、安楽死、尊厳死な反対(4人)、選ばず(3人)というものである。
ただこの種のアンケートは多くの場合、元気な時に第三人称という立場での回答であり、いざ自分や身内がそのような状況に置かれた場合には自ずから考え方も変わってくる。以前、神経内科を専門にする私の属していた第三内科で、医局の先生方に「自分がALSになったら、呼吸器を付けますか」という質問をした時にも似たような結果だったように記憶している。
さて特集であるが、2016年12月号に掲載された、脚本家の橋田壽賀子氏(91歳)の論考で、次のような問題提起を行っている。
「私は安楽死で逝きたい」が大きな反響があったことがこの特集のきっかけになったのだという。この論考で橋田氏は「私は八十歳を過ぎたころから、もし認知症になったら安楽死が一番と思っています」。
「介護離職して面倒を見ていた息子が絶望して寝たきりの親を殺したり、老老介護の果てに無理心中といった胸の痛むニュースを見るたびに、安楽死の制度があればそうした悲劇も防げるのに、と思うのです」。
「日本でもスイスのように安楽死を認める法律を早く整備すべきだと思います」。
本特集では「超高齢社会に入った日本でも、これまでタブー視されてきた『安楽死』や『尊厳死』について、真剣に議論する時期を迎えているのではないか」、そして「延命治療を行わない、いわゆる『自然死』と呼ばれる死に方については、既に日本国内でも特定の現場では定着し始めている。法整備に比べ、現場が先行しているのが実情だ」と述べている。
ちなみに「安楽死」は欧州のスイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、アメリカのカルフォルニア州などで認められている。実施に当たっては、各国がそれぞれ厳格に基準を作っており、「尊厳死」についてはアジアでも近年、韓国や台湾で法制化された。
今回、各界の著名人(146人に送付して60人から回答)に、「日本は安楽死を認めるべきか」というテーマのアンケートを実施した。
A:安楽死に賛成。安楽死の定義は、回復の見込みのない病気の患者が薬物などを服用し、死を選択することで、積極的安楽死といわれるものである。
B:尊厳死に限り賛成。尊厳死の定義は、患者の意思によって延命治療を行わない、または中止すること、となっている。
C:安楽死、尊厳死に反対。
その結果は、私にはちょっと意外であった。
実名も記されているが、安楽死に賛成(33人)、尊厳死に限り賛成(20人)、安楽死、尊厳死な反対(4人)、選ばず(3人)というものである。
ただこの種のアンケートは多くの場合、元気な時に第三人称という立場での回答であり、いざ自分や身内がそのような状況に置かれた場合には自ずから考え方も変わってくる。以前、神経内科を専門にする私の属していた第三内科で、医局の先生方に「自分がALSになったら、呼吸器を付けますか」という質問をした時にも似たような結果だったように記憶している。