順応(前)(2017/03/07)
環境が変わったとき、新しい土地での順応や適応は難しいこともある。
今年、J1鹿島の柴崎岳選手がスペイン2部サッカーリーグのCDテネリフェへ移籍した。このチームの所在地であるテネリフェ島を知っている日本人はいないと思われるが、大西洋にあるスペイン領カナリア諸島に属する島で、人口は90万近くだという。
この島で、柴崎が順応できずにもがき苦しんでいるという記事である。胃腸炎を患い体重も2週間で6キロも痩せたという。まだ23歳、相応の準備もなく、きっと初めての海外挑戦だろうから、その苦悩や戸惑いは想像に難くない。タフな神経の持ち主ならどうにかなるだろうが、繊細なメンタルの性格だったら、適応に時間を要するだろう。
スポーツライターの小宮良之氏は長年スペインに住んだことのある人だということだが、自らの体験から次のように書いている。
「海外挑戦と一口に言われてしまう。しかし、適応とは細かい点にあり、簡単に解決できるものではない。練習など1日2~3時間、残り20時間余をどう生きるのか。日々のディテールの積み重ねが、ジャブのように身体に響いてくるのだ。例えば、スペインでは食生活のタイムテーブルが日本とは大きく異なる。昼食は15時前後、夕食は22時(昼の12時、夜の7時ではレストランもほとんど営業していない。体内時計をアジャストさせるだけでも一苦労だろう。一度や二度の時間調整はどうってことない。しかし、今まで生きてきた習慣を変える、というのは繊細な人ほど、心に負担がかかってしまう。肉体的にも酷使を余儀なくされるだろう。日本人の胃腸は欧米人とは違うわけだが、スペインは肉食中心で、タンパク質を分解できる胃腸を持っていないと厳しい。メニューに和食のようにあっさりしたものは少ないのだ。また、前泊で選手一同で食事をするときには、昼から普通にワインがテーブルに出される。飲む、飲まないは個人の裁量。しかし、それも日本とは違う光景だろう。 なんでもないように見える差が、ストイックに生きてきたものには堪えたりするはずだ。そして、適応できない選手に対するチームメイトの反応は、思った以上に冷徹で、辛辣である。入団そのものが華やかであればあるほど、厳しい目を向けられる。早い話、嫉妬なのだ。妬まれる側の疎外感は凄まじい。・・・
「2部で良かった」、柴崎のテネリフェ移籍でそんな意見をしばしば聞いた。しかし、とんでもない勘違いだろう。かつてスペイン2部は、家長昭博、長谷川アーリアジャスールのような日本代表クラスの選手でさえ、なんの爪痕も残せていない。こうした環境でチームメイトの一人として認められる、というのは相当の覚悟が必要になる。さもなくば、「挑戦」 は「留学」に終わるだろう」。
今年、J1鹿島の柴崎岳選手がスペイン2部サッカーリーグのCDテネリフェへ移籍した。このチームの所在地であるテネリフェ島を知っている日本人はいないと思われるが、大西洋にあるスペイン領カナリア諸島に属する島で、人口は90万近くだという。
この島で、柴崎が順応できずにもがき苦しんでいるという記事である。胃腸炎を患い体重も2週間で6キロも痩せたという。まだ23歳、相応の準備もなく、きっと初めての海外挑戦だろうから、その苦悩や戸惑いは想像に難くない。タフな神経の持ち主ならどうにかなるだろうが、繊細なメンタルの性格だったら、適応に時間を要するだろう。
スポーツライターの小宮良之氏は長年スペインに住んだことのある人だということだが、自らの体験から次のように書いている。
「海外挑戦と一口に言われてしまう。しかし、適応とは細かい点にあり、簡単に解決できるものではない。練習など1日2~3時間、残り20時間余をどう生きるのか。日々のディテールの積み重ねが、ジャブのように身体に響いてくるのだ。例えば、スペインでは食生活のタイムテーブルが日本とは大きく異なる。昼食は15時前後、夕食は22時(昼の12時、夜の7時ではレストランもほとんど営業していない。体内時計をアジャストさせるだけでも一苦労だろう。一度や二度の時間調整はどうってことない。しかし、今まで生きてきた習慣を変える、というのは繊細な人ほど、心に負担がかかってしまう。肉体的にも酷使を余儀なくされるだろう。日本人の胃腸は欧米人とは違うわけだが、スペインは肉食中心で、タンパク質を分解できる胃腸を持っていないと厳しい。メニューに和食のようにあっさりしたものは少ないのだ。また、前泊で選手一同で食事をするときには、昼から普通にワインがテーブルに出される。飲む、飲まないは個人の裁量。しかし、それも日本とは違う光景だろう。 なんでもないように見える差が、ストイックに生きてきたものには堪えたりするはずだ。そして、適応できない選手に対するチームメイトの反応は、思った以上に冷徹で、辛辣である。入団そのものが華やかであればあるほど、厳しい目を向けられる。早い話、嫉妬なのだ。妬まれる側の疎外感は凄まじい。・・・
「2部で良かった」、柴崎のテネリフェ移籍でそんな意見をしばしば聞いた。しかし、とんでもない勘違いだろう。かつてスペイン2部は、家長昭博、長谷川アーリアジャスールのような日本代表クラスの選手でさえ、なんの爪痕も残せていない。こうした環境でチームメイトの一人として認められる、というのは相当の覚悟が必要になる。さもなくば、「挑戦」 は「留学」に終わるだろう」。
