Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

早生まれの人は損?得?(前)(2017/03/01) 

毎日の健診で内科診察やPET検診の結果説明をしていると、名前や生年月日が気になるようになった。変わった名前に出会うと、その由来を聞きたくなる。
         先日は「美幸」という名前の男性がおられたので、「よく間違えられるでしょう」と振ってみた。「名前のお蔭で小さいころからいじめられましたよ」という。「親は一生懸命考えた上での名前ですから」と一応フォローしてみたが、名前ごときでいじめを受けるとは考えもしなかったに違いない。
         息子夫婦と孫のタンゴ君の生まれた月が揃って2月なので、息子の提案で山鹿温泉の旅館で「誕生会」をすることになった。
         2月18日の午後、朝の通常の健診業務を終えた後、鹿児島中央駅を13時50分に発車する新幹線「さくら」に乗車した。たまたま隣の席が、福岡市での小児内分泌の研究会に出席されるという小児科の玉田先生(現在、今給黎病院勤務)である。彼女とは南九州病院時代に一年間、一緒に働いたことがあった。素敵な、ママさん小児科医として働いておられるようである。
         熊本駅で各駅停車の「つばめ」に乗り換えて、10分ほどで新玉名駅に到着した。有り難いことに息子夫婦がタンゴ君と一緒に、車で迎えに来てくれていた。そこから30分ほどで、山鹿温泉の平山地区に到着した。周りを山に囲まれた山鹿の中心地からしばらく車を走らせると、やや高台に上田屋の看板はあった。ところが、宿の全景がパンフレットに載っていた写真と随分様子が違うのである。「本当にここかな?!」と思いながら中に入いると、確かに上田屋だという。2階の部屋を案内されて、思わず絶句してしまった。パンフにはそれでも部屋の説明に「プライベート空間が充実した、シンプルな6畳のお部屋」と書かれている。確かにシンプルであり、大きなテーブルと小さなテレビが一台置いてあるだけである。
         昔大学の運動部の合宿の時に泊まったような部屋で、トイレも洗面も共有である。私が副院長時代だから平成10年よりちょっと前のことかと思うが、当時九州医務局の長谷川次長と川村医療課長の3人で、妙見の「おりはし旅館」に泊まった時がこのような部屋だった(もっとも今やおりはし旅館は、人気の温泉旅館に生まれ変わっている)。「この旅館は西別府病院のようだな」と言いながら、みんなで大笑いしたことを懐かしく思い出した(その西別府病院も、モダンな病院に生まれ変わっている)。
         息子の話では、「ネットで検索したのだけど、4部屋とれたのはここしかなかったのよ」と弁解している。実は、写真に載っていたのは、上田屋の「離れ」であった。「どうせ、寝たら同じだから」と大笑いとなったが、「5月の連休後には、閉館となります」という張り紙も納得がいく。ただ古くても清潔感はあり、接遇も悪くなく、料理もそれなりに美味しくて、値段を考えると、全体としては満足度は低いものではなかった。温泉の質はいわゆる「美肌の湯」で、「肌に溶け込むような、乳液のような肌触り。湯上り後も、すべすべとした肌触りが続きます」という宣伝には嘘偽りはなかった。
         夜は息子の嫁のご両親、嫁の姉さん夫婦(子供二人)も交えて、楽しい誕生会になった。私は奄美の黒糖焼酎「朝日」を持参したが、結構受けていた。