Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

リスクとは不確実性である(2017/06/29) 

日経の朝刊「人間発見」(2017年5月)に投資教育家、岡本和久さんの記事が載っていた。5回シリーズだったようだが、4回目までは読み過ごしてしまった。
         この回の文中に、70歳を機会に「感謝の会」を開催された時の様子が載っていた。出席者の一人に、「鎌倉投信」の鎌田恭幸さん(NHKプロフェショナル仕事の流儀に出演された新井和宏さんの所属する会社の社長)の名前も出てきたので、興味深く読んでみた。
         投資教育家とは聞きなれない職業であるが、投資の助言などする専門職を指すらしい。日経の編集委員が岡本さんにインタビューして、それぞれの項目についてまとめたもののようである。
         (項目) 2012年に胃がんで胃の3分の2を摘出、16年春には重症筋無力症と診断されたが、投薬などで体調はかなり回復したそうですが・・・
 2つの病でいろいろ学びました。
         人間は必ず死にます。運用の世界でいうリスクは「危険」ではなく「不確実性のこと」。その意味で死はリスクではありません。リスクとは、生きているという今の状態がいつまで続くかということ。これこそ不確実だからです。その中でできるのは、考え得る最善のことをやり続けることでしょう。
         私の好きな米国の神学者の言葉があります。「神よ、変えることのできないことを受け入れる冷静さを、変えることのできることを変える勇気を、そしてそれらの違いを判断できる知恵を与えたまえ」。これは人生全般にも、そして資産運用にも通じる言葉だと思います。
         (私のコメント)確かに死は確実に訪れることなので、リスクとは言えない。我々が不安に思うのは、将来に対する不確実性のことで、地震に対する備えもそのひとつかもしれない。また神学者の言葉は箴言であり、東京での医療安全のアドバンスコースの最後のしめの挨拶の時にも紹介させてもらった。
         (項目)投資教育家になってから十数年が過ぎたわけですが・・・
 最初のころ助言した人たちから「お蔭で資産が増え、老後が安心になった」という言葉を聞けるようになりました。なによりうれしいことです。少子高齢化が進む日本では最大の社会貢献だと確信しました。今後は社会貢献的な仕事を増やしていきたいと思います。・・・
 (私のコメント) 信頼できる投資の指南役に「年金」などの運用を任せることができたらいいのだろうが、現実は国の年金の運用もいつも上手くいっているとは限らない。ささやかなことであるが「断捨離」の一つだと思って、先日ある証券会社に塩漬けにしていた「投信」を売却した。なんと20年ほど前に買った投信だったが、結果的には「トントン」で、損しなかったのを良しとすべきと思うことだった。
         先のことは誰もわからないのである。