北部ブロック多職種連携会議(前)(2017/07/18)
高齢化社会が進むにつれて、キュアからケアへと医療の内容が変化しているというのに、病院で仕事をしているとつい介護現場の実態に疎くなってしまっていた。南九州病院時代には十数年にわたってヘルパー研修を行っていたということもあって、介護の現場をかなりよく把握していたつもりだった。ところが南風病院に異動して以降、そこで働いている人たちとの交流も少なくなっていた。
ずいぶん前のことになるが当法人の療養通所介護事業所「みなみ風」の運営会議の時に、鹿児島市長寿安心相談ンセンター「上町」の吉満さんから、北部ブロック多職種連携会議での講演を頼まれた。どのような組織でどのような内容の講演をすればいいのかよくわからないまま、安請負をしてしまった。
後でよく調べてみると、「社会福祉法人高齢者介護予防協会かごしま」に「地域包括支援センター鹿児島市長寿あんしん相談センター」という組織があり、そこに市内17か所に支部があり、その一つが「上町」となっている。今回の講演は上町や吉野など「北部ブロック」の多職種連携会議というものであることを、連携会議に出席して初めてよく理解できた次第である。
当日、県民交流センターの隣の建物の市民福祉プラザ5階が会場になっていた。「18時までに来て下さい」というのを勘違いして17時30分過ぎに会場に着いたので、主催者の人以外にはまだ来ていなかった。長寿あんしん相談センター吉野の山田さん(主任介護支援専門員)の話では、前半が私の講演で後半が事例検討会という段取りになっているという。
前もって事例検討会の資料をもらっていたのでとりあえず読んでみた。76歳の女性に対するケアの経年的記録で、社会資源の充実に驚くと共に、有能で真面目なケアマネを含む多職種の実に見事な連携による素晴らしいケアが行われていることに敬意を表したくなった。ただ今後の高齢者医療を考える時、必要な人すべてにこのような行き届いたケアを提供できるだろうかと、いつものアマノジャク的な考え方も一方では生じてきた。
先日の日経新聞の一面でも、国民皆保険に依る医療が現役医師の過半数が持続不能と考えているというアンケート結果を記事にしている。今後の高齢社会を考える時、人とモノをどのように効率的に多くの人に提供していけるのか、難しい課題になるだろう。そのような意味でも、日本人すべてに「死生観」というものを考える時期に来ているのではないだろうかと思い、最初のスライドに「死生観の醸成」というものを選んだ。唐突な印象を免れかねないと思いながらの提示だったが、私の真意をある程度理会してくれたようである。
・「死を怖れるのは、人間の『自然』である。死の怖れを克服するのは、人間の『文化』である。それぞれの文化には死を超越するための独特の方式がある」(加藤周一)
・「私はいつも心の中で死に対面していることによって、自分の中に生と死を同時に育てている。いつも生と死を対比させ、自分の生き方を考えている」(多田富雄)
・「無常の世界をそのまま、一種のあきらめを以って受容する傾向が、日本文化の中で著しい」(多田富雄)
・しかし災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候 死ぬ時節には死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるる妙法にて候 (良寛)
ずいぶん前のことになるが当法人の療養通所介護事業所「みなみ風」の運営会議の時に、鹿児島市長寿安心相談ンセンター「上町」の吉満さんから、北部ブロック多職種連携会議での講演を頼まれた。どのような組織でどのような内容の講演をすればいいのかよくわからないまま、安請負をしてしまった。
後でよく調べてみると、「社会福祉法人高齢者介護予防協会かごしま」に「地域包括支援センター鹿児島市長寿あんしん相談センター」という組織があり、そこに市内17か所に支部があり、その一つが「上町」となっている。今回の講演は上町や吉野など「北部ブロック」の多職種連携会議というものであることを、連携会議に出席して初めてよく理解できた次第である。
当日、県民交流センターの隣の建物の市民福祉プラザ5階が会場になっていた。「18時までに来て下さい」というのを勘違いして17時30分過ぎに会場に着いたので、主催者の人以外にはまだ来ていなかった。長寿あんしん相談センター吉野の山田さん(主任介護支援専門員)の話では、前半が私の講演で後半が事例検討会という段取りになっているという。
前もって事例検討会の資料をもらっていたのでとりあえず読んでみた。76歳の女性に対するケアの経年的記録で、社会資源の充実に驚くと共に、有能で真面目なケアマネを含む多職種の実に見事な連携による素晴らしいケアが行われていることに敬意を表したくなった。ただ今後の高齢者医療を考える時、必要な人すべてにこのような行き届いたケアを提供できるだろうかと、いつものアマノジャク的な考え方も一方では生じてきた。
先日の日経新聞の一面でも、国民皆保険に依る医療が現役医師の過半数が持続不能と考えているというアンケート結果を記事にしている。今後の高齢社会を考える時、人とモノをどのように効率的に多くの人に提供していけるのか、難しい課題になるだろう。そのような意味でも、日本人すべてに「死生観」というものを考える時期に来ているのではないだろうかと思い、最初のスライドに「死生観の醸成」というものを選んだ。唐突な印象を免れかねないと思いながらの提示だったが、私の真意をある程度理会してくれたようである。
・「死を怖れるのは、人間の『自然』である。死の怖れを克服するのは、人間の『文化』である。それぞれの文化には死を超越するための独特の方式がある」(加藤周一)
・「私はいつも心の中で死に対面していることによって、自分の中に生と死を同時に育てている。いつも生と死を対比させ、自分の生き方を考えている」(多田富雄)
・「無常の世界をそのまま、一種のあきらめを以って受容する傾向が、日本文化の中で著しい」(多田富雄)
・しかし災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候 死ぬ時節には死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるる妙法にて候 (良寛)
