Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

南風病院「納涼船」(2017/08/02) 

恒例となっている夏の南風病院「納涼船」が、今年は7月27日に挙行された。
   病棟再編に伴うモノやヒトの異動の真っ最中でもあり、今年は見送ろうかという意見も出たりしたが、「夏休みに入ってのこの行事を楽しみに待っているお子さんもたくさんいるから」ということで、いつもの通り行うことに決まった。
   私は病院の仕事を終えた後、いったん家に帰って、18時30分過ぎに桜島桟橋へと向かった。家を出る時には雨は降っていなかったが、桟橋に近づくにつれて小雨が降ってきて、折り畳み傘を用意したのが的中した。
   海岸通りからの階段を上ってフェリー専用桟橋に着くと、いつものような長蛇の列はない。鳥居さんが待ってくれていて、「もうみんな乗船していますよ」と聞いてビックリした。いつもの年より乗船時刻が早まったようである。私も観光船プリンセスマリン号へのゲートを渡って船内に乗り込むと、既に甲板では「酒盛り」が始まっているグループも見受けられる。事前に頂いた資料では、今年の参加者は464人と、やはり例年より少ないようである。
   夕闇も迫ってきて19時30分に出航したが、かなり強い風が甲板を吹き抜ける。それでも雨上りのためか、涼しく感じられる。船の一階部分は赤いカーペットと畳が敷きこまれている。それを取り囲むように、スタッフによるポップコーン機、かき氷機、生ビールのサーバーなども準備されている。2階はいつもと同じように、客室として使われている部分で冷房も効いていて快適である。
   19時50分ごろから貞方理事長の挨拶である。「毎年、お子さん方の成長の様子を見れるのが楽しみです」と。確かに子供たちは一年一年成長して、小学生だった子どもたちも、いつの間にか大学生や社会人になっている。引き続いて私は乾杯の音頭という役割で、「夏休みの楽しい思い出に乾杯」ということになった。
   そのあと抽選会になり、それぞれに弁当を食べて、飲んで楽しい語らいの場となった。私もかねて話すこともない何人かの人と話すこともできた。出航した後は雨も降ることなく錦江湾内をクルーズしながら、21時半ごろに桟橋に着岸した。
   終わってみれば、「一蓮托生」という言葉を思い出した。
   「よい行いをした者は極楽浄土に往生して、同じ蓮の花の上に身を託し生まれ変わること。転じて、事の善悪にかかわらず仲間として行動や運命をともにすること」だそうである。タラップが外され、船が岸壁を離れた瞬間から物理的には「一蓮托生」の世界になるわけだが、不思議なもので気持ちの上でも連帯感が生まれるような気がする。子供たちのはじけるような笑顔に接するとき、この行事がいつまでも続けられたらと思うことだった。