Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

健診模様(23)天の邪鬼(2017/09/15) 

世の中には天の邪鬼というか、変わった人がいるものである。
 この50歳代の日焼けした中肉中背の男性、銀行員には見えないくらいである。
 7月に錦江湾遠泳(桜島から磯を目指して)の準備もされているということで、毎日泳いで準備しているようである。鹿児島市では錦江湾の遠泳では、松原小学校などが有名であるが、その行事とは直接は関係ないらしい。
 またよく歩いているようで、「マッチョなボディ」には少々自信があるらしく、「すごいですね」とほめると、腓腹筋に力を入れて触らせてくれた。
 調査表にはタバコは吸うし、アルコールも毎日「3合以上」となっている。ところが検査データはほぼオールAに近いので、その部分をほめるとまんざらでもない顔をしている。
 「健診日の前日には禁酒などする輩がいますが、私は却ってたくさん飲んでから検査するんですよ。まあ、ストレスをかけるんですね。昨夜も9時過ぎまで飲んでいました」とのたまう。確かに健診日の前には節制する人が多いようで、この次に健診した40歳代後半の男性は、「この一週間、検査のために休肝日でした」と話していた。
 「肺気腫も少しあるようですから、タバコの方はやめた方がいいですよ」と話しても、聞こえない風で耳を貸さない。「今年は南風病院も胃カメラでは鼻から管を入れるというので、胃透視に換えたんですよ。鼻からは嫌だというのに、青雲会も鼻からになったし、来年は慈愛会にでも行こうかな」と言いながら部屋を出て行かれた。今村病院では経口なのか調べてはいない。
 42歳の均整のとれたスマートな男性、「180センチで64キロである。ちょっとやせ気味ですが、よく体重をコントロールされていますね」と聴診器を胸に当てながら話しかけると、「4年ほど前は84キロありましたから、20キロほど痩せました」という。「どのような方法をされたのですが?」と訊ねると「特段、何もしていないのですよ。ただ毎朝体重を計って、暦に書き込むことにしたんです。そうすると、ご飯をたくさん食べたり、宴会で飲んで食べると、それだけ体重が重くなっていることが一目瞭然でわかるんですね。このようなことを続けているうちに自然と現在の体重になったというわけです」。
 常に意識しておくこと、モチベーションを保ち続けることの重要さを教えてくれる。