基準値≠正常値(2018/01/31)
私は現在、一般健診での内科的診察と鹿児島銀行の健診結果の説明を担当している。その時に感じてきたことだが、多くの人は血液データで「H」の印があると、過剰に心配する人が多いことである。同じ「H」でも、心配する必要のあるものと、そうでないものがあるのである。
そのこともあってか、日経新聞(2017年11月29日)の「健康診断 ここに注目」という記事が目に飛び込んできた。
ここでは「基準値≠正常値、数値の変動が重要」という二点についてわかりやすく解説している。
基準値は健康な人の平均値で、正常値ではないということである。人にはそれぞれ親から引き継いだ体質というものがあり、特に尿酸値や悪玉コレステロール値など、健康な人でも高い数値の人は多い。よく聞いてみると、両親のどちらかが高値であることが多い。
毎年の健診結果を見ていると、もっとも大事なことは新聞記事でも触れているように、年次ごとの数値の変動ではないかと思う。体重の変化や体調とは、実にパラレルに数値が変動していることが多い。そのため同じ「H」でも、意味づけは大いに異なってくる。今までずっと正常値だった人が少しずつ上昇して、基準値を超えて右肩上がりになっていると、やはり要注意である。体重が増えていないか、飲酒量が増えていないか聞いてみると、数字はものの見事に物語っている。
また高齢になると、赤血球数やヘモグロビン値が基準値より下回っている人もいるが、必ずしも貧血といえるわけでもない。年齢やまた他の検査データとの兼ね合いで判断されるもので、基準値も定義上は「正常な人の95%が当てはまる値」と言われている。「60歳を超えると、何らかの異常はあるもので、あんまり検査しない方がいいのではないですか」と、つい医師らしからぬ事も言いながら、納得してもらうこともある。
そのこともあってか、日経新聞(2017年11月29日)の「健康診断 ここに注目」という記事が目に飛び込んできた。
ここでは「基準値≠正常値、数値の変動が重要」という二点についてわかりやすく解説している。
基準値は健康な人の平均値で、正常値ではないということである。人にはそれぞれ親から引き継いだ体質というものがあり、特に尿酸値や悪玉コレステロール値など、健康な人でも高い数値の人は多い。よく聞いてみると、両親のどちらかが高値であることが多い。
毎年の健診結果を見ていると、もっとも大事なことは新聞記事でも触れているように、年次ごとの数値の変動ではないかと思う。体重の変化や体調とは、実にパラレルに数値が変動していることが多い。そのため同じ「H」でも、意味づけは大いに異なってくる。今までずっと正常値だった人が少しずつ上昇して、基準値を超えて右肩上がりになっていると、やはり要注意である。体重が増えていないか、飲酒量が増えていないか聞いてみると、数字はものの見事に物語っている。
また高齢になると、赤血球数やヘモグロビン値が基準値より下回っている人もいるが、必ずしも貧血といえるわけでもない。年齢やまた他の検査データとの兼ね合いで判断されるもので、基準値も定義上は「正常な人の95%が当てはまる値」と言われている。「60歳を超えると、何らかの異常はあるもので、あんまり検査しない方がいいのではないですか」と、つい医師らしからぬ事も言いながら、納得してもらうこともある。