Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

春の農業体験ツアー(2018/05/15) 

超高齢社会を迎えて「健康寿命」の重要性がさまざまなところで喧伝されている。我が南風病院でも、地域のお年寄りやがんなどで手術された方々がフレイルに陥り、寝たきりとならないために健康教室を開いたり、足腰を鍛えるための「農業体験ツアー」を企画している。
 5月8日、「南風はつらつ健康クラブ係」が鹿児島市郊外の都市農業センターで、「春の農業体験ツアー」を企画した。当日は9時に病院に集合し、病院の用意した貸し切りの市営バスで都市農業センターに向かうこととなった。当日のプログラムは、農作業、都市農業センター散策、健康教室、食事、そして帰りにチェスト館に立ち寄るというものである。
 私は朝会の後、10時過ぎに江藤さんの車で会場の都市農業センターに向かった。約40分の道のりである。予報は「大雨」ということだったが、朝方はどんよりとした曇り空だったが、まだ雨は落ちてこない。南風農園に着くと、当院のスタッフと体験ツアー参加者が、よく整備された黒土の農園で働かれている。エゴマや野菜、花の種をきれいに撒いている。私も革靴を登山靴に替えてきたので農園の中に入るが、土の香りと柔らかさは何とも言えない。60年ほど前、小学校の頃は母が農業をしていたので、田舎での生活を思い出す。母は教職を辞めてから慣れない畑仕事になったわけだが、持ち前の研究熱心さもあって、サツマイモの単位面積当たりの収穫量では表彰されたこともあった。
 11時前になって小雨が降りだし、ちょうど仕事も終わったのでセンターの建物に移動した。結果的には種まきの時だけ雨が降らず、終わったころで小雨、その後は豪雨となったわけで、こんなに運のいいことは滅多にあるものではない。
 私は11時半ごろから、「健康寿命」についての講話を頼まれていた。参加者が館内を市の職員に案内されて散策している間に、私もちょっと館内をのぞいてみる。市の建物だけあって建物も周りの農園(庭)もきれいに整備されており、バーベキューなどもできる設備もある。今日は何を話そうかと思いながら歩いていたら、壁に28年鹿児島市安心安全まちづくり作品コンクールの優秀作品が掲示されていた。
 その中の一つ、「いつかより 今がその時 じじいのそなえ」(紫原小4年 愛村優太)という作品が目にとまり、まさに「私の講話そのままだなあ」とニヤッとしながらみていた。ところがよくみると「じじい」は「じしん」で、「じじいのはずはないなあ」と一人苦笑いをすることだった。人間、何か思っているとつい独りよがりに勘違いをするという典型である。
 11時半から30分間、「健康長寿」について講話した。畳の部屋に机をコの字型に並べて、思い思いに座っている。私も座って話したが、耳の遠い人も多いだろうと、いつもより大きな声で話すことだった。右手前には、焼酎天国の女将さんだった浜園さんが座っておられる。「汗をかく、恥をかく 本をかく」人生でした、と話されていたが、まさにその通りだなあと感心する。
 12時から弁当を食べて、私は13時からPETの説明が予定されていたので、みんなより少し早めに席を立ったが、その頃には土砂降りの大雨となっていた。夕方、秘書の鳥居さんから農園で収穫した土の着いた「にんにく」を2本ほど貰ったので、夜はそれを炒めて食べたが大変美味しかった。