Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

「キョウイク」と「キョウヨウ」(2018/06/20) 

最近、高齢者向けの「講話」を頼まれる機会が多くなってきた。できるだけ「頼まれたことは断らない」を実行していきたいが、次第にその「意欲」が薄れてきている。
 高齢者を対象にした場合には、内容としては生活習慣病対策、がんの早期発見、認知症の予防などがテーマとなることが多い。若いころは話の内容が自分とはかなりかけ離れているので、単に頭で考えた言葉であったような気がする。ところが70歳を過ぎると、同じ言葉でもストーンと自分の体験を通した言葉となることが多くなって、自らの問題としてとらえることができるようになってきた。悲しいことに、ギャップを感じなくなったのである。
 先日、ネットに低栄養が招く衰弱、筋肉減少 =「フレイル」「サルコペニア」の恐怖(時事通信)なるものが目に飛び込んできた。その中で、「これは面白い、いつか講話にも使ってみよう」と思ったのが、タニタヘルスリンクの管理栄養士・健康運動指導士の龍口知子さんの(健康維持や介護要望に必要なことは)、「キョウイク」と「キョウヨウ」であるという言葉である。
 「キョウイク」と「キョウヨウ」と書かれると、多くの人は「教育」と「教養」という漢字を当てはめて、「健康維持には教育も教養も必要なんだな」と思ってしまう。ところが龍口さんは「キョウイク」を「今日行くところがある」、「キョウヨウ」を「今日は用事がある」という言葉を当てたのである。
 確かに年を取って毎日が日曜日となると、外出することもなく一日中閉じこもりがちになる。また用事もなくなって、家でゴロゴロとするような生活になりやすい。その結果、全身が弱って外出することが難しくなる「フレイル」や、筋肉量が減少する「サルコペニア」になるケースもあるようだ。
 私自身もどちらかというと人生に消極的な方だし社交性も乏しいので、「フレイル」の心配大と言える。会社人間、仕事人間の悲しい末路である。