Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

ALS協会支部総会(3)(2018/06/14) 

先生の講演を聞きながら思ったことは、テクノロジーの進歩であり、平成10年に亡くなった筋ジス患者の轟木敏秀君の時代のパソコンへの入力方法を第一世代とすれば、現在は第二世代ということになる。平成に入ったころだから30年近く前のことになるが、東京から畠山さんや岡本さん、関根さんなど多くの研究者がボランタリーで筋ジス病棟に来られて、それぞれの障がいの程度に応じた入力装置を工夫してくれていたものである。
 その後、数人の患者さんの紹介も交えながら、大きな声で実に精力的な素晴らしい講演だった。今、彼の病状がどのようなものかを知っていなければ、だれも気付かなかったかと思うが、事前に私は里中さんから「先日、胸水を抜いてきたばかりなんですよ」というような情報を得ていたので、少し痛ましく感じながら聴いていた。1975年の生まれなので44歳ということになる。お子さんもまだ小学校に行っていないと聞いていた。
 そこで家に帰ってから、先生が自ら紹介されていたネットの「ポランの広場」を開けて、その事情がよく分った(本人の承諾なしに転載する。人間の凄さ、冷静さをみんなにも紹介したいとの思いで、転載を許可してほしい)。
 (ご報告)肺がんになったのでしばらく大学をお休みします、との書き出しである。
 私は「肺がん」患者となりました。現在,出雲国を離れて最愛のイーハトーブの地で治療を開始しています。がんは,すでに進行している状態ですので,もしかしたら余命はあまりないかもしれません。うん,私にとっても,たいへん急なできごとではありました。
 これまで,多少の戸惑いはあったものの,今は真正面から事実を宿命として受けとめています。 楽しいことも苦しいことも生きているからこそ。すべてをしっかり味わいたいと思います。
 この数週間は,シゴトの整理やマストの業務で大変でしたが,入院してからは比較的平穏に暮らしています。 大学の関係者には大変なご面倒をお掛けしました。残務を引き受けてくださった学科の教員のみなさま,この場を借りて感謝申しあげます。
 まずは2週間の入院予定で,今日(2017年11月22日)は6日目。岩手医科大学附属病院の大部屋患者を元気に演じております。ここは敬愛する宮沢賢治が入院した病院ですからね。 宮沢賢治マニアとしては大満足。本来であれば,関係者みなさんには直接お伝えすべきでした。このような形でのご報告になり申し訳ありません。
 治療(たぶん延命程度)はがんの進行や手術のデメリットを考慮して,化学療法での治療となりました。この方法では根治は難しいはずなので,私としては延命措置と捉えています。薬剤は2017年2月に迅速承認されたキイトルーダ。がん免疫療法を実現する,健康保険が適用される数少ない薬剤です。免疫チェックポイント阻害剤といわれ,オプジーボ同様に極めて高額。なんと一回分の価格は82万円!200mg を3週間に一度点滴していくと,年間*,***万円の超高額なお薬となります。 納税者の皆様,申し訳ありません。適用要件としては,生検したがん細胞に PD-L1 というたんぱく質が高い割合で発現していることだそうです。 私の場合は70%以上の発現ということでしたのでラッキーです。唯一,期待できる点としては,これまでの抗がん剤と違って副作用が比較的少なく,効く場合はたんへよく効き,治験でも有意に好成績を叩き出していることです。ただし,確率的には根治は困難なはずなので,光免疫療法などの画期的な治療法を待ち望んでいます。光免疫療法の治験には参加したいのですが,その方法がわかりません。これからのこといろいろなことが未定です。現状ではまだまだ元気ですので,やりたいことは前もって積極的にやっていきたいです。これまでたくさんの重度障害者と関わってきました。自分自身が生命にかかわる重大な疾患になることで,そのような方々の気持ちが分かりやすくなったように感じています。もしかしたら,これから本当の支援技術の研究ができるのかもしれません。
 やりたいこと
 本を1冊以上出版する
 子どもらと遊ぶ
 講演会・研修会を1回/月以上行う どなたか企画を!
 光免疫療法で治療する
 平成30年度後半には大学復帰