Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

札幌での神経学会総会(3)(2018/06/07) 

18時に私の宿泊していた札幌パールシティホテルで待ち合わせて、渡辺さんの紹介してくれた札幌駅の北大側の晩酌処「かんろ」という店まで歩いた。この居酒屋風の店は北大生が多いらしく、安くて美味いという評判だそうである。時間が早いこともあってか、まだお客さんは一人もおらずに、2階の座敷に案内された。壁にはさまざまなお品書きが、所狭しと貼られており、焼酎では不二才(私の故郷の佐多商店の銘柄で、骨太で無骨な男性の意味)や伊佐大泉などもある。ほっけや焼き鳥など、いずれも美味しく、お値段も手ごろである。
 渡辺さんと駒井先生とは初対面だったが、すぐに打ち解けて、お開きまで肝胆相照らすような楽しい時間となった。最初の話題は何と言っても「映画化」の話である。
 『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』というタイトルで、「幼少期から難病にかかり、車イスと介助がないと生きていけない体となった鹿野靖明と、彼を支えながら共に生きたボランティア達と家族の実話を描く。ときには度を超えるワガママぶりを見せながらも、自らの夢や欲に素直に生きた鹿野靖明を取り巻く笑いと涙の物語が繰り広げられる」とある。主役の鹿野さんには大泉洋、その他に高畑充希や三浦春馬も出演するというからかなりの話題作になりそうである。
 渡辺さんの語るところでは、最初の脚本を見せられた時には、原作とは似ても似つかないことになっており絶句したという。いわゆる安っぽいトレンディードラマ風の恋愛ものに変質していて、これでは実在の方々にも申し訳ないと思い、脚本家とも話し合って、障害の問題などを少し掘り下げて扱ってくれるように頼んだという。ただ鹿野さん役の大泉さんが熱意をもって取り組んでくれているので、少しは期待が持てそうだということだった。
 私は渡辺さんにいつものように、早く次作を出版してほしいこと、そして「夕張問題」に取り組んでくれないだろうかと頼んだ。市民病院なきあと夕張診療所の所長をされていた森田先生(鹿児島在住)の講演を聞いたことがあったが、「市民病院がなくなっても、市民の表情は明るいし、何も困っていないということは本当なのかどうか、渡辺さんの目線で書いてほしい。夕張の例は日本の近未来の縮図となるので、渡辺さんが取り組む価値があるのではないかと。
 21時過ぎまで飲んで、私は歩いてホテルに戻った。
 24日は快晴の空で、会場のロイトン札幌まで歩くことにした。ちょっと肌寒く感じるが、空気は澄んでいて新緑も眩いほどである。札幌駅前通りを大通公園に向かって歩いて、ランドマークともなっているテレビ塔と逆方向に公園内を西11丁目まで歩く。現在、ライラック祭りがおこなわれているようで、テントなども立ち並んでいる。ホテルから40分足らずで会場に着くことができた。