Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

新道屋の加治木饅頭(2018/07/23) 

南九州病院の事務部長(この4月から)の花木さんと看護部長の藤丸さんが私の部屋を訪ねて来てくれた。先日、空港に行く時に立ち寄った時には留守だったので、花木さんとは初対面だった。でも同じ国立病院機構で働いた縁で共通の話題も多く、話は尽きなかった。
 帰る時に、お土産として「新道屋の加治木饅頭」を頂いた。「久しぶりにあの新道屋の加治木饅頭が食べられる」と思って喜んだのだが、食べてみてその味が変わっていることに驚いた。食べる前から、その外観が新道屋特有の皮が薄くてなめらかで、しっとりとあんこを包み込むような感触が無くなっていると思ったのだが、味も普通の加治木饅頭に変わっていた。どうしたのだろう。
 私が南九州病院に勤めていた頃は、加治木町界隈には16軒の饅頭屋さんがあったと聞いていたが、その中で新道屋は特別な存在だった。その饅頭を買うために日豊線沿いのお店の販売口には、いつも長蛇の列ができており、昼過ぎの2,3時ごろには「売り切れです」という張り紙が貼られて店を閉めるのが常だった。
 「新道屋の加治木まんじゅう」というと、多くの人「線路沿いの、並んで買うお店ですね」と聞き返してくる。当時、年末に大学病院の医局を回るときには、このまんじゅうを持って行くことをならいとしており、自称「新道屋、南九州病院支店の福永です」と言いながら医局の女の子に名刺を差し出すと、ニコッと笑ってもらえていた。その笑いの心には、「並んでご苦労さん」というねぎらいの気持ちもあるように思えた。ただ大学に持って行くときには、前日に事務がお店に予約を入れておくと、「大口予約」という特権なのか、あらかじめ用意してくれていたものだった。
 また医療安全の嶋森班が、2年ほど東京でひと月ごとに開催されていた。家庭的な雰囲気ということもあって、毎回鹿児島名産を持参していたが、一度このまんじゅうを持って行ったことがあった。確か小林さん(甲府市に住んでおられる)だったかと思うが、「叔父さんから、並んで買うまんじゅうが加治木町にあると聞いたことがあります。このまんじゅうですか」と、感激の態で食べてもらったこともある。
 その饅頭の形や味が変わったということは、私の独りよがりの判断なのか、本当に作る職人が代わったということなのか、よく分らない。もし代わったということならば、昔の味が新道屋らしいと、個人的には懐かしく思うことである。