田の神石像・全記録~南九州の民間信仰~(後)(2018/07/20)
さて、6月30日、ホテルパレスイン鹿児島で「出版記念会」が開催されることとなった。18時30分に始まるということで、18時前に家を出たが幸いにも雨は降っていない。少し早く着きそうなので、ホテル近くの天文館公園で時間をつぶしたが、この公園も様変わりしている。以前は野球場やテニスコートなどもあったが、現在は芝生の大きな広場になっている。
パレスインに着くと、同じフロアで伊佐市鹿児島会なる催しが行われていた。入口の所から、懇意にしている隈元伊佐市長の姿を探したが、この時には見届けることはできなかった(出版記念会の途中で、わざわざ会いに来てくれたのだが)。
記念会は発起人の一人である藤崎先生(前霧島市立医師会医療センター院長)の司会で始められた。発起人を代表して川原先生(腎・泌尿器科クリニック)が挨拶され、その後に八木先生が挨拶とスライドも使いながら「田の神」について30分ほど講演をされた。それにしてもたった7年間で、これほどの仕事(研究)をよくやったものである。
祝辞は衆議院議員の宮路さん、佐伯先生(前鹿児島大学生化学教室教授)が述べられた。私は先にも述べたような関わりで、乾杯の音頭を頼まれていた。八木先生とのつながりを話したのち、ますます「田の神さん」研究を発展させてほしいというようなありきたりの挨拶の後、万歳の音頭をとらせてもらった。
当日の会場には50人を超える人が参加されていた。私のテーブルは主賓席だったが、右隣は祝辞を述べられた佐伯先生、左隣は波多江先生である。
私は佐伯先生とはこれまで面識はなかったが、シトリン欠損症を発見した研究者として知られている。今回、この病気が指定難病にも加えられたこともあり、その辺りの話題になった。シトリン欠損症は身体の中(主に肝臓)で、「シトリン」という輸送体タンパク質を上手に作ることができない(欠損する)病気で、新生児期には肝内胆汁うっ滞症(NICCD)、年長児では成長障害および脂質異常(FTTDCD)、成人期には精神神経症状を伴う反復性の高アンモニア血症(成人発症Ⅱ型シトルリン血症、CTLN2)を呈する。しばしばシトリン欠損症の特徴として、高蛋白質や高脂質の食事を好み炭水化物を避ける食嗜好があげられている。
佐伯先生は大学院の時の恩師にあたるそうで、「今回の、田の神の膨大な資料をまとめる手法は医学研究の方法と同じだ」ということを祝辞の中で話されていた。たしかにこれだけの膨大な資料を分析するやり方は、パソコンのソフトを利用するにしても、粘り強さと根気さが必要になってくる。今度(7月15日)の南日本新聞の「すいもあまいも」のお題は「オタクの息子をどうすればいいか」という父親からの相談であるが、科学研究に限らず一芸に秀でるには、多少のいい意味での「オタク」も必要ではないかと思うことだった。
一方、波多江先生は最後に「〆の挨拶」をされたが、大学院の時からの親交のようである。
またこの祝賀会には、大学の同窓や姶良郡医師会など多くの医療関係者が出席していたが、迫口先生夫人から「西郷隆盛十の訓え」という本をもらった。西郷の長男、菊次郎の孫である西郷隆文(陶芸家)が書かれたものである。菊次郎は奄美に流されていたときの愛加那との間に生まれた長男であるが、9歳の時に鹿児島の西郷本家に引き取られ、12歳でアメリカへの留学、京都市長など歴任している。
祝賀会は21時前に閉会となり、私はそのままタクシーで帰った。
