鹿児島セーフティーマネジメント研究会(3)(2018/07/12)
私は休憩時間を利用して控室で、稲葉先生に久しぶりにお会いしたが、いつものようにスマートな体型である。少し日焼けしているようだったのでそれを訊ねると「朝焼けですかね。毎朝、一時間ほど皇居の周りをジョギングしています。一周5キロですが、信号がないですので走りやすいです」ということだった。それにしても特別なことがない限り、20年以上もジョギングを続けておられるということ、「上には上がいるものだ」と恐れいった次第である。
稲葉先生の特別講演の座長は私が務めたが、タイトルは「医療と法・倫理が交錯するところで起こること~元裁判官からの医療者への提言」というものだった。
「弁護士の話は難しい」が定番ですが、そこの部分を実にわかりやすく読み解いてくださいます」と紹介したが、まさにその通りの分りやすい講演だった。レジメでは膨大な資料を用意してくれていたが、時間の制限(90分)もあったので、抜粋して話された。
とりわけ印象に残っている部分を紹介する。
・私(法律家)が行う環境整備→医療者が自立して判断し、行動できるように支援する。
① 正しい法的リスクを伝え(続け)る。
② 自分で法的リスクをマネジメントできるように支援する。
③ 事故・トラブルの際の調整・伝達役を置く。
④ 事故当事者を支援する。
⑤ 一緒に倫理的な判断・活動をする。
・医療安全と法(過失・説明・記録)について。
医療者は過度に「こわがる」傾向にある。寺田寅彦の随筆を引用して「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむずかしい」。
・刑事と民事は異なる。
刑事は検察官が起訴して刑罰が科せられ、民事は被害者が起訴して金銭賠償となる。公判請求の割合は(平成18年度)、168件の起訴されたうち、公判請求は3件にすぎない。
・法的責任の構造(刑事・民事責任共通)
過失とは結果予見義務と結果回避義務を怠ったことによる、医療では患者情報を把握したうえで、医療者の専門的知識を踏まえた、当該行為との関連での「患者のリスク評価」である。
・医療者にとって説明は極めて重要な行為で、違法でないためには、違法性阻却事由が必要となる。それは①治療を目的とすること、②医学上一般に承認された手段方法を持ってなされたこと、③患者の承諾があること(承諾の前提としての説明)。特に③は重要であるが、どこまで説明すればいいかについてはいろんな議論がある。合理的医師説(専門家基準:概説的)、合理的患者説、具体的患者説(詳しく具体的に)があるが、最近では合理的患者説と具体的患者説の中間ぐらいが求められている。
稲葉先生の特別講演の座長は私が務めたが、タイトルは「医療と法・倫理が交錯するところで起こること~元裁判官からの医療者への提言」というものだった。
「弁護士の話は難しい」が定番ですが、そこの部分を実にわかりやすく読み解いてくださいます」と紹介したが、まさにその通りの分りやすい講演だった。レジメでは膨大な資料を用意してくれていたが、時間の制限(90分)もあったので、抜粋して話された。
とりわけ印象に残っている部分を紹介する。
・私(法律家)が行う環境整備→医療者が自立して判断し、行動できるように支援する。
① 正しい法的リスクを伝え(続け)る。
② 自分で法的リスクをマネジメントできるように支援する。
③ 事故・トラブルの際の調整・伝達役を置く。
④ 事故当事者を支援する。
⑤ 一緒に倫理的な判断・活動をする。
・医療安全と法(過失・説明・記録)について。
医療者は過度に「こわがる」傾向にある。寺田寅彦の随筆を引用して「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむずかしい」。
・刑事と民事は異なる。
刑事は検察官が起訴して刑罰が科せられ、民事は被害者が起訴して金銭賠償となる。公判請求の割合は(平成18年度)、168件の起訴されたうち、公判請求は3件にすぎない。
・法的責任の構造(刑事・民事責任共通)
過失とは結果予見義務と結果回避義務を怠ったことによる、医療では患者情報を把握したうえで、医療者の専門的知識を踏まえた、当該行為との関連での「患者のリスク評価」である。
・医療者にとって説明は極めて重要な行為で、違法でないためには、違法性阻却事由が必要となる。それは①治療を目的とすること、②医学上一般に承認された手段方法を持ってなされたこと、③患者の承諾があること(承諾の前提としての説明)。特に③は重要であるが、どこまで説明すればいいかについてはいろんな議論がある。合理的医師説(専門家基準:概説的)、合理的患者説、具体的患者説(詳しく具体的に)があるが、最近では合理的患者説と具体的患者説の中間ぐらいが求められている。
