Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

鹿児島セーフティーマネジメント研究会(1)(2018/07/09) 

テルモの小澤支店長から、6月23日に開催される「鹿児島セイフティマネジメント研究会」のレジメの挨拶を頼まれて、私は次のように書いて送った。
   タイトル:医療の安全は「日常の地道な改善への努力しかない」
   この「鹿児島セーフティーマネジメント研究会」は今年で6年目を迎える。第一回目が開催されたのは2013年6月29日で、特別講演には聖路加国際大学病院院長(当時)の福井次矢先生をお招きした。以降、6月の第4週の土曜日を定例日として、この自治会館で開催してきた。
   会則には目的として、「医療安全・セイフティーマネジメントに関する情報交換、会員の研修・教育を行い、医療の質の向上とその成果の普及を図る」としている。
   研究会のプログラムは午前中がハンズオン、午後から時宜に合ったシンポジウムを毎回選定し、その後で特別講演を企画してきた。最近は400人近くの医療・福祉関係者が参加して、熱心に耳を傾けてくれている。
   今年度は特別講演に、中京大学法科大学院教授の稲葉一人先生をお招きすることができ、心から喜んでいる。私と先生との関係を紹介すれば、随分前の医療安全のシンポジウムで先生の講演の司会を仰せつかったことがあり、また私が厚労省の難病研究班の部会長をしていたときに、班員として活躍していただいたこともあった。そして何と言っても思い出に残っているのは2014年7月で、鹿児島市医師会勤務医会で講演したいただいた時である。台風の襲来による豪雨にもかかわらず、500人近くの聴衆が県医師会館に足を運んでくださり、先生の講演に聞き入ったのである。分りやすく実践的な内容で、実はこの時の講演を聞いて、この研究会でも是非お願いしたいと思ったのである。今回、この23日に実現できたことは本当にうれしい限りである。
   さて国民は医療界に、「安全で安心できる医療」を求めている。ところが「医療安全」対策に、「魔法の杖」など存在しない。病院管理者は病院の中に、「安全を尊ぶ医療文化」の醸成を常に心に留めておく必要がある。一方スタッフは、日々の「確認作業の徹底」と「患者との対話を重視し、信頼関係を構築」していくより他にない。そして「事故の未然防止」、「事故の拡大防止」、「事故後対応」をそれぞれきちんとできる体制の整備を行うことが肝要である。
   結局、「日常の地道な改善への努力」しかないことがよくわかる。
   さて23日、研究会当日、予報通りの雨模様だったが、時には降っていない時間帯もあり  雨脚も予報されたほどは強くないようでホッとした。私は社会保険の審査会会場から自治会館まで歩いて行こうと考えたのだが、雨が降っておりさすがにタクシーを頼んだ。67歳だという運転手さんは「会社で働いていたのですが60歳の定年を機に、この道に入りました。でも疲れますね。70歳までには辞めようと思っております」と話されていた。