Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

健診模様(35)アメリカ暮らし(2018/08/24) 

健診の時、年齢の記入欄で同年齢だとわかると、時代を共有していたことが懐かしく、その人の来し方というか、人生を聴きたくなる。
     70歳男性、現在アメリカのケンタッキー州で板前の仕事に就いているのだという。「アメリカでは医療費が高いので、日本で健診したい」と帰ってきているというのである。
     出水市で生まれたが、2歳から高校まで大阪で育って、板前さんになった。北海道で手広くすし店を開いていたが倒産、そこでアメリカに渡航した。
     最初はニューヨークの日本人街のような場所に住んでいたが、「これでは英語もうまくならない」と、ケンタッキー州に移り住んで30数年が経つという。この都市はトヨタなどの工場があり日本人も多いようである。奥さんは亡くなられて、子供たちは北海道に住んでいるという。
     70歳にしてはラフな格好で、若々しく見える。「アメリカは何を着ようと、どんな格好をしようと自由なところが好きですね」という。「英語は流ちょうになりましたか」と訊ねると、「お客さんの相手には困らなくなりましたが、政治など自分の業界以外の話となると、半分もわかりませんね」と正直に答える。
     「アメリカで一生を終えるつもりですか」と訊ねると、「いいえ、やはり日本がいいですね。今どこで最期を終えるか、適当な家を探しています」という。「出水は?」と聞くと、「出水は住民税などの税金が高く、都市部の2,3倍ほどです。好きな釣りもできる金沢か瀬戸内の街を探しています」と言われる。本当に出水の税金が高いのか、調べてはいない。子どもたちには迷惑をかけたくないので、北海道に住む気はないようだ。
     生きてきた道は全く異なるが、団塊の世代に特有な考え方が根底にあるように思えた。