Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

健診模様(30)再会(2018/08/16) 

以前このランで、「郷に入りては郷に従え」という諺を文字通り実践して、その生活を楽しんでいる人もいる、という話題を提供したことがあった。先日、今度はPET健診で再会して「お互いの無事」を喜んだ。
   (前回)この浅黒く日焼けした小太りの40歳代後半の男性、とても銀行員には見えずいっぱしの漁師のようである。外見と血液検査のデータから、「遠くの島」に単身赴任の男性とお見受けしたが、その予想はピッタシあたっていた。
   「もう、毎日がパラダイスですよ。夕方、ちょっと出かけて岸辺から棹を垂らすと、もうイカやアジ、何でも釣れるのですから。それを自分でさばいて、黒糖焼酎と一緒に食べると、これは最高です」と言われる。たしかにこちらもご相伴に与りたい気持ちになる。もうその島に赴任して2年近くになるそうだが、仕事も遊びも楽しくて帰る気になれないという。「家内は、息子が県外の高校に通っていますので、そっちが忙しくて私の方など忘れてしまっているようですよ」と、屈託ない様子である。
   確かに、一度しかない人生、与えられた場所で、職場で人生を思い切り楽しむ生き方も良しと思うのだが、それがなかなかできない。(終わり)
   その後の「様子」を詳しく聞いてみた。相変わらず生活を楽しまれているようで、魚を釣ってはさばいて、黒糖焼酎で晩酌を楽しんでいるという。私も青魚の刺身は大好物なので、聞いているだけでもうらやましく思う。
   「ハブさえいなければこんないいところはないのですが」と言われる。実際にはハブを見たことはないそうだが、地元の人からは、「木の上から飛んできたとか」、「水道の蛇口の所から」など脅されるという。
   「息子さんはどうですか(ラグビーで有名な県外の高校に進学)」と振ってみると、「はい、お陰でユースの全日本にも選ばれて、海外にも遠征しています。来年は大学ですが、ラグビーの強い有名大学に引っ張られそうです」と嬉しそうに話していた。
   「そこにいる間に、私も訪ねたいのですがねえ、やっぱしむりかもね」で終わった。