Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

日本慢性期医療学会(後)(2018/10/18) 

平岡まゑみさん(難病の子ども支援全国ネットワーク理事)は「主治医は誰でしょう」というタイトルで、30余年にわたる患者会の活動を織り交ぜながら、現在45歳になる結節性硬化症の娘さんの話をされた。打ち合わせの時に私と同年齢だということがわかり、家族で「疾患と共に暮らす」生き方に頭の下がる思いだった。知的な風貌で話し方も落ち着いておられて、苦労されながらも芯の強さの感じられる方だった。
 1988年に「難病の子どもとその家族にとって、明日の希望と勇気になりたい」との思いで活動を開始、結節性硬化症の子どもを持つ親の会として1987年に発足したという。当時、疾患別の親の会はほとんどなかったが、現在では疾患別が当たり前で、数人しか患者のいない会もあるという。発足した1987年は18名でスタートしたが、現在は467人の会員登録があるという。現在の課題は、地域による情報量の差と専門医不足、継続して総合的に関わる医療機関がほとんどないことだという。
 子どもの疾患と向き合うとき、親は自分のことのように悩む。子どもはいずれ大人になり、生涯治ることのない疾病と共に生きていく。子ども自身が、その疾病と共に生きていく力を育むのが親の役目である。症状に応じて対処法ができた今、提示された選択肢を親の思いで選ぶのではなく、生涯にわたり抱えて行くのは本人である、という意識を持ちたい。
 全くその通りで、かって関わってきた筋ジストロフィーや重症心身障害児の場合と全く同じことだと思った。「会を持続していく上で大切なことは」と質問したら、「身の丈の活動で、無理をしない事だ」と言うことだった。
 最後のスライドで、屈託のない幸せそうな娘さんの笑顔のスライドを見て、救われる思いになった。
 児玉祥彦先生(福岡市立こども病院循環器科)は「移行期医療の課題と現状~福岡市立こども病院循環器病センターの取り組み~」と題して、大学や地域の基幹病院との連携の活動について述べられた。
 「どこで、誰が診るかが問題だ」ということで、小児科、成人科で診る際の問題についてまとめられた。
 小児科で診る際の問題点として、①成人特有の疾患・妊娠出産への対応ができない。②自律的な医療が提供されにくい。③小児科病棟入院時に診療報酬に影響する。④成人患者が小児科外来・病棟に違和感を持つ。
 一方、成人科で診る際の問題点として、①該当する専門診療科がない(例えば、免疫不全や重症心身障害)。②医療者の疾患に関する知識が乏しい(先天性心疾患など)。③患者があらたな医療環境に不安を感じる。
 会場から質問もあったが、時間も押していたので質問者には悪かったが、そこで打ち切らせてもらった。