神経の再生(2018/10/15)
一般向けの講演の時に、「神経系の困った特徴の一つに、一度壊れた神経細胞は再生しない」ということを話してきた。そのために脊髄損傷などで神経が損傷を受けると、重い後遺症が残ってしまうと。
もう少し学問的に述べると、ヒトを含む哺乳類の神経軸索が外傷などにより切断された場合、末梢神経では損傷部を超えた軸索の再生が認められるのに対し、中枢神経では軸索の再生は難しいと考えられてきた。この原因として、中枢神経系の損傷部の環境が再生に適していないという外的要因と、中枢神経細胞自体の軸索伸長能が弱いという内的要因の二点があげられている
ところがこの常識が覆されつつある。
一つはiPS細胞による神経の再生、そしてもう一つが、今回名古屋大学のグループ(分子生物学の久木直毅教授)による線虫を使った実験による「切れた神経の再生促す」という研究(日経、8月8日)である。
このグループは線虫の神経細胞から伸びた軸索をレーザーで切断して観察した。軸索が再生した神経細胞を詳しく調べると、細胞を死なせるときにさまざまなたんぱく質を壊す「カスパーゼ」という酵素が働き、細胞が死んだ時に出る「ホスファチジルセリン(PS)」という脂質の一種が放出されていた。
この時、カスパーゼが壊した神経細胞のタンパク質は一部だけで、細胞は死んでおらず、細胞膜にある再生に関わるタンパク質にPSが結合していた。PSが結合したことで軸索の再生が促されたとみられる。
このことは傷ついた神経を再生させる治療法の開発につながると期待されている。
ところでホスファチジルセリン(PS)はタンパク質とともに細胞膜を構成しており、細胞内への栄養の取り込み、老廃物の排出、情報伝達、神経伝達物質の分泌を促すと考えられている。そのためさまざまな健康食品、サプリメントが開発されている。アルツハイマー型認知症、加齢に伴う記憶力低下、抑鬱症、てんかん患者などである。
もう少し学問的に述べると、ヒトを含む哺乳類の神経軸索が外傷などにより切断された場合、末梢神経では損傷部を超えた軸索の再生が認められるのに対し、中枢神経では軸索の再生は難しいと考えられてきた。この原因として、中枢神経系の損傷部の環境が再生に適していないという外的要因と、中枢神経細胞自体の軸索伸長能が弱いという内的要因の二点があげられている
ところがこの常識が覆されつつある。
一つはiPS細胞による神経の再生、そしてもう一つが、今回名古屋大学のグループ(分子生物学の久木直毅教授)による線虫を使った実験による「切れた神経の再生促す」という研究(日経、8月8日)である。
このグループは線虫の神経細胞から伸びた軸索をレーザーで切断して観察した。軸索が再生した神経細胞を詳しく調べると、細胞を死なせるときにさまざまなたんぱく質を壊す「カスパーゼ」という酵素が働き、細胞が死んだ時に出る「ホスファチジルセリン(PS)」という脂質の一種が放出されていた。
この時、カスパーゼが壊した神経細胞のタンパク質は一部だけで、細胞は死んでおらず、細胞膜にある再生に関わるタンパク質にPSが結合していた。PSが結合したことで軸索の再生が促されたとみられる。
このことは傷ついた神経を再生させる治療法の開発につながると期待されている。
ところでホスファチジルセリン(PS)はタンパク質とともに細胞膜を構成しており、細胞内への栄養の取り込み、老廃物の排出、情報伝達、神経伝達物質の分泌を促すと考えられている。そのためさまざまな健康食品、サプリメントが開発されている。アルツハイマー型認知症、加齢に伴う記憶力低下、抑鬱症、てんかん患者などである。
