Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

救急を断らない(2018/11/13) 

毎年2回の開催が義務付けられている地域医療支援委員会の平成30年度第一回南風病院地域支援員会が、平成30年10月30日、城山観光ホテルで開催された。7人の院外委員のうち5人が参加してくれた。
   議題は地域支援病院としての運用状況、課題、在宅医療の支援状況であるが、今回は「南風便り整形外科特別号」、10月8日に西日本新聞に掲載された「膵臓がん、早期発見のために」、8月24日に南日本新聞に掲載された「働いてポイント→健康管理に活用」、「なんぷうジョブ・フィット」、「かんたき みなみ風」などの資料も配布された。
   熊本先生(鹿児島大学教授)の司会で議事は滞りなく進められ、質疑応答の時間となった。私はこのような席ではあまり発言しないのだが、今回は鹿児島市消防局長さんが委員として参加してくれていたので、あえて「鹿児島市の救急の状況」について質問した。というのは、当日の本院の提出した資料で、救急車搬送件数がここ1,2年、減少傾向にあり、2018年7月が129件、8月が124件、9月が118件となっている。ちなみに2017年3月は181件、2018年1月は179件である。
   「南風病院には隊員の気管挿管などの実習で大変お世話になっております。さてご質問の救急搬送に関してですが、鹿児島市の救急件数は全体としては増えております。資料で判りますように、南風病院の地元である上町分遣隊の搬送件数が減少しております」と切り出されて、その原因は「断られる」という事になるということで、上町分遣隊の具体的な「断られた理由」を示された。
   「専門外である、手術など他の業務に関わっていて手が空かない、空きベッドがないなど、南風に限らず断られる理由はどこも同じです。救急隊も時間を考えますと近い病院がよいわけですが、断られてしまうことが続きますと、最初から他の病院を探すということになります」。
   私も「率直なお話、ありがとうございました。今後病院としても改善策をみんなで考えながら、期待に添えるように致しますので、今後ともよろしくお願い致します」と発言した。末永副院長も「病院としても重く受け止めておりまして、最近休止となっていた救急委員会を2ヶ月前から再会しました。すぐに結果に結びつくわけではありませんが、『断らない』ように致しますので、よろしくお願い致します。また以前行っていた救急隊との勉強会や懇親会も考えていきたいと思います」と付け加えられた。
   司会の熊本先生は、「大学では救急搬送があったとき、断った場合にはその理由を書いてもらって、公開するようになってから、断る件数が減りました」と話されていた。
   救急隊も、当院の診療内容など吟味して搬送されるわけだから、よっぽどのことがない限り「断らないで欲しい」と願っている。本当はきちんとした体制を整備しなければならないのだが、現状では思い通りにはいかない。だからと言って救急を止めるとなると、病院そのものの立ち位置を根本から見直さなければならなくなる。下降トレンドを回復するのは大変だが、「断らない」を実行しながら誠実に対応していけば、またきっとわかってくれるものと思う。お蔭で11月は若干増加してきている。