Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

健診模様(44)凄い人、いい銀行(2018/11/09) 

中央省庁による障害者雇用の水増し問題が、国民の批判を受けている。
   国の33の行政機関のうち28機関が、障害者手帳を持たない職員や退職者を障害者としてカウントしていたという。大切なことは、障がいのある人に身になって、受け入れ環境を整備することにある。
   先日、PET健診で60歳の女性に結果報告をしたとき、問診票に「左足義足」と書かれていた。一応の説明が終わったところで、穏やかな表情の話しやすい雰囲気を持っておられたので、そのいきさつを聞いてみた。
   「足はどうされたのですか」と尋ねる。
   「13歳の時ですが、学校に自転車通学していたんです。ところがトラックにはねられて、左足をなくしてしまいました」という。「でも足だけで良かったですね」と言うと、「運のいいことに、他は全く大丈夫だったです」と淡々と答えられる。
   47年前の出来事になる。
   「でも苦労なさったでしょう」と尋ねる。
   一瞬時間をおいて「ううん、でもいい人に恵まれて、さほど苦労したという思いはありません。中学、高校、短大、そして今の職場と、俗に言う所のいじめなど一度も受けたことはありませんでした」
   「時代がよかったのかな。学生時代は田舎だったし、それもきっとあなたの人柄のせいじゃないですか」
   「銀行も、他の人と同じように普通に扱ってくれましたし・・・特に困ったというような思いはありませんでした」
   凄い人である。