Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

神経学会(後)(2019/06/04) 

ランチョンセミナーは、大分大学准教授の木村成志先生の、臼杵市での認知証対策の講演を聴いたが大変面白かった。なお木村先生は、元北薩病院院長の野村先生の娘婿である。
   臼杵市での活動は歴史が深く、平成18年から認知症診療における医療連携を開始している。当初は医師を対象とした認知症講演会および研究会で、同時期に市行政も認知症の啓発、認知機能検診および疫学調査などを実施していた。平成21年に認知症対策に積極的であった副市長の尽力で市行政、医療、介護・福祉の連携が急速に前進した。平成22年からは多職種連携による「臼杵市の認知症を考える会」を立ち上げ、同年11月に第一回の認知症市民フォーラムを開催した。さらに、翌年から在宅高齢者を対象として認知症講演会による啓蒙および認知機能検診による早期診断・早期治療を目的とした「なるほど認知症講座」を開始した。平成24年からは医療と介護・福祉の連携強化と認知症患者のケアの向上を目指した多職種合同の事例検討会を開始した。平成25年から認知症検診により軽度認知障害と判定された高齢者を対象に運動と対人交流を抱合した予防プログラムを開始した。
   65歳以上85歳未満の在宅高齢者を対象として小学校区ごととに認知症の啓蒙および検診活動を実施し、希望者に対してタッチパネル式早期診断システムを用いた一次検診を実施した。12点以下の者について、日本神経学会専門医による二次検診を実施し、問診、神経学的診察、Alzheimer's Disease Assessment Scale検査を行った。認知症と診断された者は、地域基幹病院または大分大学医学部附属病院で頭部MRIおよび脳血流SPECT検査を施行し、かかりつけ医での早期治療が可能となった。軽度認知障害と診断された者は、認知症予防教室への参加を促した。
   今回の研究の概要を説明されたがリストバンド(東芝)で一日の歩数や睡眠時間、会話時間などが記録され、2週間後に回収された。その結果とアミロイドPETなどとの対比や分析が報告された。
   22日の夜はホテルのロイヤルホールで全員懇親会が開催された。参加者が多く会場はごった返していた。ステーキや担担麺などの人気のコーナーは長蛇の列で、ありつけるまでには相当な時間を要する。そこまで食事に執着はないので、人気のないうどんなどで我慢することにした。
   懇親会の楽しみはかねて会うことのない多くの先生方にお会いできることである。アラカルトの料理の列に並んでいたときに菊池(旧姓神田)先生にお会いした。昔、南九州病院で研修した女医さんで、現在は東大の神経内科に所属して大学院で研究しているという。お父さんが菊池さんが九大の学生の時にALSとなり、そのことが契機になって医学部に入り直したという。お母さんもALS協会に参加されている。
   また翌日の招待講演のAngela Vincentとも少し話をする機会があった。アメリカに留学していたとき、ロンドン大学の教授だった彼女と共同研究したことがあり、ロンドンのロイヤルフリーホスピタルを訪問したこともあった。翌日の講演では、お気遣いかと思うがFUKUOKA、FUKUNAGA、OSAMEを共同研究者としてスライドに載せてくれていた。他にも高木昭夫先生(井形先生とスモンの共同研究者)や中根先生(メイヨーのエンゲルラボに留学したことがあり、現在は熊大教授)、西澤先生(前新潟大学教授で難病対策委員会の委員)などとも久しぶりに話をすることができた。
   23日は朝食会場で郡山先生(太田記念病院の院長で、栗山先生の後任)と隣になり、栗山先生のことなど聞くことができた。