宇沢弘文(1)(2019/01/22)
2014年に亡くなられた数理経済学者の宇沢弘文の名前はあまりにも有名であり、ノーベル経済学賞の候補にも挙がったことがあったという。私はかって日本病院会の理事会に出席した時に、一度だけ講演を聞いたことがあった。トレードマークにもなっていた白い顎鬚が印象的だったことを憶えている。後に述べる番組では、奥さんが「頭の方が薄くなったので、顎鬚を蓄えるようになったのですよ」と笑いながら答えていた。ちなみにその番組にも出演していた実弟の宇沢充圭さん(慶応大学を卒業した、スポーツ医学では有名な整形外科医だという)はふさふさとした髪だった。
先日、NHK-BS1の「米子が生んだ心の経済学者 ~宇沢弘文が遺したもの~ 」を観る機会があった。番組の概要は「取県米子市出身で東京大学名誉教授の宇沢弘文さん、「心を持った経済学者」として、経済成長至上主義の社会の在り方を批判し続けた宇沢さんは、「人間の心を大切にする経済学」を追求し続けた経済学者であった。番組では、宇沢さんのプロフィールや功績を紹介するとともに、「宇沢理論」を継承する経済学者、さらには家族らの証言なども交えながら、宇沢さんの人物像を探っていく」とある。
その中で3人の子ども(二人の息子は数学者と生物学者)のうち、長女で内科医の卜部まり(宇沢国際学館取締役)さんの話が面白かった。卜部さんは慈恵医科大学卒業後、メイヨークリニックにポスドクとしても留学している。ネットで調べると、2017年11月26日の橋本佳子(m3.com編集長)さんのインタビュー「医師、そして娘から見た「父、宇沢弘文」を三回にわたってインタビューしている。奥深い内容なので、関係のある部分を要約して紹介したい。
第1回目は「社会的共通資本としての医療」、誤解なく広めたい 、である。もっとも興味深かったのは次のくだりである。
父は生前、家でしょっちゅう、「ローマ法王が……」とか、「昭和天皇が……」などと、同じことを繰り返して話していました。私は3人兄妹ですが、「もういいよ、分かった」「その話はもう聞いた」などと、家族の反応は冷たかったのです(笑)。
父は、当時のローマ法王のヨハネ・パウロ2世が1991年5月に回勅をまとめる際のアドバイザーを務め、「社会主義の弊害と資本主義の幻想」というタイトルで世に出しました。1983年に父が文化功労者に選ばれた際、顕彰式の後のご進講で、昭和天皇に社会的共通資本とは何か、経済とは何かなどを一生懸命にご説明したところ、「つまり経済においても、人間の心が大事だと言いたいのだね」と言われ、心の中をピタリと言い当てられたエピソードも何度も聞きました。
先日、NHK-BS1の「米子が生んだ心の経済学者 ~宇沢弘文が遺したもの~ 」を観る機会があった。番組の概要は「取県米子市出身で東京大学名誉教授の宇沢弘文さん、「心を持った経済学者」として、経済成長至上主義の社会の在り方を批判し続けた宇沢さんは、「人間の心を大切にする経済学」を追求し続けた経済学者であった。番組では、宇沢さんのプロフィールや功績を紹介するとともに、「宇沢理論」を継承する経済学者、さらには家族らの証言なども交えながら、宇沢さんの人物像を探っていく」とある。
その中で3人の子ども(二人の息子は数学者と生物学者)のうち、長女で内科医の卜部まり(宇沢国際学館取締役)さんの話が面白かった。卜部さんは慈恵医科大学卒業後、メイヨークリニックにポスドクとしても留学している。ネットで調べると、2017年11月26日の橋本佳子(m3.com編集長)さんのインタビュー「医師、そして娘から見た「父、宇沢弘文」を三回にわたってインタビューしている。奥深い内容なので、関係のある部分を要約して紹介したい。
第1回目は「社会的共通資本としての医療」、誤解なく広めたい 、である。もっとも興味深かったのは次のくだりである。
父は生前、家でしょっちゅう、「ローマ法王が……」とか、「昭和天皇が……」などと、同じことを繰り返して話していました。私は3人兄妹ですが、「もういいよ、分かった」「その話はもう聞いた」などと、家族の反応は冷たかったのです(笑)。
父は、当時のローマ法王のヨハネ・パウロ2世が1991年5月に回勅をまとめる際のアドバイザーを務め、「社会主義の弊害と資本主義の幻想」というタイトルで世に出しました。1983年に父が文化功労者に選ばれた際、顕彰式の後のご進講で、昭和天皇に社会的共通資本とは何か、経済とは何かなどを一生懸命にご説明したところ、「つまり経済においても、人間の心が大事だと言いたいのだね」と言われ、心の中をピタリと言い当てられたエピソードも何度も聞きました。
