Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

すいもあまいも(2019/01/07) 

今回の「相談」、私の世代は「勤勉さ」を善と考える人が多いかと思うが、数日前の日経一面では、崩れる「勤勉は善」と問うていた。いろいろな考え方が存在するし、致し方ないことである。
   (相談者)「働き方改革」管理者に無縁 
   長年、介護の仕事をして、半年前に管理職になりました。労務管理や介護請求などの事務作業が加わり、慣れないパソコンに悪戦苦闘しています。勤務時間内には終わらず、残業もしばしば。それだけでなく、連休などスタッフが入りたがらない期間は人繰りがつかず、現場に出ることもあります。休みの日も急な電話があり、職場に行くこともしょっちゅうで、家族からはあきれられます。管理職になると「働き方改革」なんて関係ないとため息が出ます。(50代女性)
   (回答)努力はきちんと評価される
 世の中は不公平な気もします。「管理職」という立場にある人の多くは、似たような憤りを感じ、「ため息」をついているのではないでしょうか。ただ、あなたのような献身的に縁の下で働いてくれる人がいて、社会は大きな破綻もなく回っていくのだと思います。ゆとりと権利を主張して、余暇を楽しむだけの人が増えると、収拾のつかないことになりかねません。
   さて「働き方改革」という名のもとに、現実とはかけ離れた改革も進められています。確かに長時間労働の是正などは必要ですが、人の補充もなしにやみくもに進められると、介護を受ける人や患者に迷惑をかけてしまいます。利用者にしわ寄せがいかないようにすると、どうしても身を削って頑張る人に頼らざるを得ないというのが実情です。
   「働き方改革」はグローバル化していく世界では必要なことでしょうし、長い目で見れば人間らしい生活を取り戻す一里塚だと信じたいです。でも、日本人の美徳とされてきた「勤勉さ」まで捨て去ってしまうと、元も子もなくなります。働くことに喜びと誇りを持ちたいものです。
   あなたの努力を職場も家族も、きちんと評価しているはずです。信頼されているからこそ重責を担うことになったのです。地道な仕事はすぐには報われなくても、回りまわってあなたを助けてくれる時がきます。今を踏ん張りましょう。