「あくまき」と「おみそ」(2015/05/19)
この季節になるとここ数年毎年忘れることなく、「あくまき」と「おみそ」を送ってくれる人がいる。
「あくまき」は大隅半島の輝北町に住んでいるHさんで、南九州病院の時にパーキンソン病のご主人を20年ほど診ていた。お礼の電話をすると、私と同じ年のその奥さんの元気な声が帰ってくる。「旦那の調子はどげんね」と聞くと、「相変わらずだけど元気で、お蔭さんでまだ生きちょっど」と言う。この奥さん、旦那の介護の傍ら米を造り野菜を植え、牛も飼っている。野菜は無農薬で栽培し、地域の小学校の給食に提供している。「本当によく頑張るね」と言うと、「がんばらんな、食うていかんといかんがね。でも先生、今年は子牛が高い値がついてね」と嬉しそう。そのあと、子供さんやお孫さんの近況など聞いて、「米がとれたら、また送っでな」で電話を切った。
「みそ」は隼人町のMさんである。Mさんとも長いお付き合いになり、4世代にわたっての「関係」となる。昭和58年頃、私が大学病院で働いていたときに、Mさんのお父さんを診察する機会を持った。筋生検などから良性のミオパテーと診断し、ときどき経過を診ていた。そして私が南九州病院に移るということで、またMさんの自宅が隼人町だったということもあって、お父さんも南九州病院で診ることになったのだが、まもなく亡くなられた。その後も縁は続いて、Mさんのお母さんとMさん夫妻、そしてお孫さんまで相談を受けることになったのである。Mさんのお孫さんが双子の未熟児で、南九州病院の小児科の先生に相談したものだった。
「先生、今年もみそができたんじゃけど・・・」という。私の家族の消費量は少ないので去年の分がまだ残っているが、山口に住んでいる娘がいるというので貰うことになった。「近いうちに貰いに伺いますが」と言うと、「旦那が遊んでおっで、一緒に先生の所に持っていきますが」ということになり、先日、病院まで夫婦二人で持って来てくれた。
私の部屋で30分ほど自分の健康などについての相談を受けたり、娘や孫の話など、相変わらずの話になった。「先生、孫がこの4月から小学校に入ったんですよ」という。写真を見せてもらったが元気に成長しており、さすがに双子でよく似ている。双生児のうえに未熟児で、1200グラムと600グラムだったという。「先生が、並べて寝ていた孫の顔を見て、『大丈夫じゃが』と言ってくれたんで安心したと」と言われる。でもヘルニアなども重なり大手術にも耐え、よくここまで育ったものである。走りも早いそうで、もう心配はいらないようである。
病気には大きく分けると、急性期疾患と慢性期疾患に大別される。南風病院では外科手術など急性期の病気が主で平均在院日数も10数日と短く手術などが終わると、退院となる。ところが難病などでは症状のコントロールはできても完治することはないので、長い付き合いになる。私は専門が神経難病だったので、先に紹介した方のように、長い付き合いの患者さんが多い。
「あくまき」は大隅半島の輝北町に住んでいるHさんで、南九州病院の時にパーキンソン病のご主人を20年ほど診ていた。お礼の電話をすると、私と同じ年のその奥さんの元気な声が帰ってくる。「旦那の調子はどげんね」と聞くと、「相変わらずだけど元気で、お蔭さんでまだ生きちょっど」と言う。この奥さん、旦那の介護の傍ら米を造り野菜を植え、牛も飼っている。野菜は無農薬で栽培し、地域の小学校の給食に提供している。「本当によく頑張るね」と言うと、「がんばらんな、食うていかんといかんがね。でも先生、今年は子牛が高い値がついてね」と嬉しそう。そのあと、子供さんやお孫さんの近況など聞いて、「米がとれたら、また送っでな」で電話を切った。
「みそ」は隼人町のMさんである。Mさんとも長いお付き合いになり、4世代にわたっての「関係」となる。昭和58年頃、私が大学病院で働いていたときに、Mさんのお父さんを診察する機会を持った。筋生検などから良性のミオパテーと診断し、ときどき経過を診ていた。そして私が南九州病院に移るということで、またMさんの自宅が隼人町だったということもあって、お父さんも南九州病院で診ることになったのだが、まもなく亡くなられた。その後も縁は続いて、Mさんのお母さんとMさん夫妻、そしてお孫さんまで相談を受けることになったのである。Mさんのお孫さんが双子の未熟児で、南九州病院の小児科の先生に相談したものだった。
「先生、今年もみそができたんじゃけど・・・」という。私の家族の消費量は少ないので去年の分がまだ残っているが、山口に住んでいる娘がいるというので貰うことになった。「近いうちに貰いに伺いますが」と言うと、「旦那が遊んでおっで、一緒に先生の所に持っていきますが」ということになり、先日、病院まで夫婦二人で持って来てくれた。
私の部屋で30分ほど自分の健康などについての相談を受けたり、娘や孫の話など、相変わらずの話になった。「先生、孫がこの4月から小学校に入ったんですよ」という。写真を見せてもらったが元気に成長しており、さすがに双子でよく似ている。双生児のうえに未熟児で、1200グラムと600グラムだったという。「先生が、並べて寝ていた孫の顔を見て、『大丈夫じゃが』と言ってくれたんで安心したと」と言われる。でもヘルニアなども重なり大手術にも耐え、よくここまで育ったものである。走りも早いそうで、もう心配はいらないようである。
病気には大きく分けると、急性期疾患と慢性期疾患に大別される。南風病院では外科手術など急性期の病気が主で平均在院日数も10数日と短く手術などが終わると、退院となる。ところが難病などでは症状のコントロールはできても完治することはないので、長い付き合いになる。私は専門が神経難病だったので、先に紹介した方のように、長い付き合いの患者さんが多い。
