Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

「真実の瞬間」(2015/11/24) 

もともとは経営学の言葉だそうだが、「真実の瞬間」(Moment of truth)という言葉がある。
「従業員が顧客に接する(最初の)15秒間でその企業の成功が左右される」という意味で、銀行やホテルなどのサービス業での接遇のイロハだという。例えば、顧客が店舗やサービスカウンターに行ったとき、店員や担当者が無愛想だったり、サービスレベルが低かったり、あるいはひどく待たされたり、面倒・不便・不潔などで不愉快な思いをすれば、その企業に対して良い印象は抱かないということである。
日頃誰でも経験していることであるが、お店やホテルなどで出会った人たちの第一印象が、その後の行動を左右するといっても過言でない。コンビニなど、ちょっと足を延ばせばどこにでもある。印象が悪ければ、二度と来るものかと思い、そして実際行かないだろう。逆に好ましい印象が持てればまた来たいと思う。
病院でも然りである。最近はどこの病院も役所も、総じて接遇の改善に努力している。わかっていても行動に出ない場合も多い。そのため、利用者の要求水準が高くなっているため、少しでも印象が悪いと大きなクレームとなる。
別な言葉を使うと、職員一人一人が病院の看板を背負っているようなもので、患者さんがたまたま出会った職員の振る舞いが病院全体の評価ということになる。 最近、私にとって「うれしい、そしてそうでもない」メールをお二人の人から頂いた。もちろん、「うれしくない」ということは、別の意味では大変ありがたいことで、病院のことを思ってくれているからこそ、そのようなメールを下さるのである。
 まず、私がかねて懇意にしているY病院の先生からのメールである
在宅でみている患者さん(67歳男性)が左前胸部上部の痛みがあるとのことで17日夜に南風病院へ(年齢が若い、治療可能との判断で)搬送させていただきました(気胸かな)。今年5月、9月と南風に入院していた患者さんなのですが、ご本人は最初強く入院拒否をしていました。よくよく聞くと前回の入院中職員の態度が悪かったとのことでした。 具体的には寒くてガタガタ震えているのにほったらかし。レントゲン検査のとき気配りがない。まるで物を扱っている感じだった。とかだそうです。南風がということでは決してないことは分かっているのですが、「院長先生に言っとくからもう一回入院してみましょうよ」ということで入院を了承していただきましたので、患者さんとの約束で(先生としてはあまり気分の良くない内容の)メールを書かせていただきました。
馬鹿親というよりは馬鹿主治医ってな感じですねぇ。すみません。今後ともよろしくお願い致します。
 18日の朝、リカバリー室に訪ねていくと、「今度は大変親切やった」と鼻腔カニューレを付けながら笑顔で答えてくれた。
 また22日のY先生からの(また患者さん紹介しました)メールには、「本日、お孫さん(看護学校受験予定の中学3年生)と二人暮らしの80歳の女性を南風病院さんへ紹介させていただきました。右大腿骨の骨折とのことで金曜日に手術予定とのことでした。在宅でみている患者さまなのですが不穏が強くなるなど入院中ご迷惑をお掛けするようでしたら、手術後そうそうにY温泉病院へ転院させていただいて全く構いません」というものである。
   次は17日の新井さんの講演翌日の、嬉しいメールである。
隅々まで整理整頓された綺麗な多喜ホールまで親切に案内頂いた手術着を着た看護婦さんの、自然な明るい笑顔での応対に、かねて福永先生のご指導が末端まで行き届いていることを実感しました。