Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

壱岐旅行(1)(2017/05/10) 

私は本来、どちらかというと行動的ではなくものぐさなたちである。そのため今年のゴールデンウィークも、「いつものように家でブラブラ過ごすことになるだろうな」とひそかに考えていた。 
         そもそもこの時期の大型連休、長期旅行を楽しめる人にとっては絶好の休みとなるだろうが、遊び方を知らない多くの日本人にとってはまだ「しっくりこない」という感覚ではないだろうか。2016年のゴールデンウィークの過ごし方について楽天リサーチがアンケートしたところ、次のような結果だったという。
         「自宅で過ごす」(39.3%)が最も多く、「遠出ではない外出をする」(34.7%)、「日帰り旅行を含む国内旅行」(33.0%)となっていた。よくテレビなどで放映される成田空港などの海外旅行客での混雑ぶりは、ほんの一部の例外的な人だということがよくわかる。おまけにこのような長期休暇になると、日当で給料をもらっている人にとっては頭の痛いことになるし、我々病院のようなところでは患者数が激減して一年間の収支にも大きな影響を与えることになる。
         ところが私の今年のゴールデンウィークは、娘の家族と長崎県の壱岐に、そして翌日には博多で息子の家族とも合流しての「家族旅行」に、終わってみれば天気にも恵まれて楽しい二泊三日の旅行となった。またついでにとは失礼になるが、下関で開催中の「梶山滋似顔絵作品展」も鑑賞することができた。
         「どうしてこんな時期に、朝鮮半島に近い壱岐を選ぶなんて」と言われそうだが、特段大きな理由はなかった。娘が一月ほど前に、ゴールデンウィークにまだ予約可能な旅館を探したら壱岐の旅館が空いていたそうである。また長崎県立壱岐病院(院長は、昔、九州医務局の医療課長だった向原先生で、南九州病院の副院長時代に何かと指導してもらった)の看護部長の米城さん(再春荘病院を最後に国立病院機構を私と同じ年に退職した。川棚医療センターの看護部長時代には難病看護研修会での講師を依頼されたりと、いろいろお世話になった女性である)を思い出したのでメールしたら、早速丁寧な観光案内(壱岐日記)などを送ってもらった。そういえば壱岐には、もうずいぶん前のことになるが、浜村明徳先生(小倉リハビリテーション病院名誉院長)と医療安全の講演で訪ねたことがあり、美味しい魚を食べるなどいい思い出がある。
         何事でもいえることだが、自分の目で直に見なければ実感がわいてこない。宿泊した壱岐牧場のホームページの冒頭に、「実は壱岐の人口(約3万人)は、漁業20%、農業70%のグルメリゾートなのです」と書かれている。小さな島で農業人口が70%もあるものだろうかといぶかっていたが、一支国博物館の展望室から眼下にひろがる広大な平野(田んぼには一面に水が張られ、キラキラ輝いている)を眺めると「なるほど」と納得がいく。はるか昔の弥生の時代、この小さな島が大陸文化の重要な懸け橋として重要な役割を果たし、そして半島からの渡来人を含めた大きな集落が形成されていたこともよく理解できた。