Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

難病の医療福祉制度(2017/10/30) 

脊髄小脳変性症患者さんの医療福祉制度(平成29年4月改訂版)という小冊子が刊行(再販)された。「脊髄小脳変性症患者さんの」と銘打っているが、難病患者さんのと言い換えてよく、現今の医療福祉制度をコンパクトにまとめてあり、最もわかりやすい「ハウツウ」ものだと自画自賛している。現場の医師や関係者からの要望も多いらしく、自己負担金などが毎年変わるということもあって改訂を重ねている。今回も6000部作製したということだった。
 この小冊子のオリジナルは、私が南九州病院時代に金澤一郎先生に頼まれて、執筆編集したものである。田辺三菱製薬がスポンサーで、SCDサマリーシリーズとして、①脊髄小脳変性症 知っておきたい病気のこと、②脊髄小脳変性症患者さんの医療福祉制度、③脊髄小脳変性症の症状と対策、④脊髄小脳変性症の治療1 薬物療法、⑤脊髄小脳変性症の治療2 リハビリテーション、⑥脊髄小脳変性症患者さんの日常生活となっており、私の分担はその中の②ということになる。
 その後、私の分担部分は制度の変更や自己負担額などが毎年変わっていくので、ほぼ毎年改定してきた。当初は金澤先生の監修、私が編集となっていたが、29年度改定版からは私が監修となっている。
 まず冒頭に、「脊髄小脳変性症」という病気は、今のところ的確な治療法が確立していないこともあって、長期の療養生活を覚悟しなければなりません。少しでも患者の皆さまに円滑な療養生活を送っていただくために、医療や福祉の面においてさまざまな公的支援があります。制度をよく理解し有効に利用することで、療養生活を少しでも快適なものにしていく方策を考えることが大切です、と書いた。
 そして項目を、1.難病医療費助成制度、2.障害のある方の福祉、3.医療保険制度、4.所得や生活の保障、5.難病と介護保険、最後に脊髄小脳変性症(男性50歳)の患者さんを例に、どのような医療・介護サービスが受けられるかをポンチ絵なども交えてわかりやすく解説した。スポンサーの田辺三菱からSCDの治療薬であるセレジストが発売されているので「脊髄小脳変性症の・・・」と銘打っているが、難病にとどまらず現在にわが国の社会保障全般に通じるものである。