Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

健診模様(53)運のいい人(2019/06/12) 

60代後半の男性、一般健診の方である。既往歴に「62歳の時に胃がん、定期的に検査」とある。
   聴診しながら訊ねる。
   「伊集院に住んでいるのですが、実は11月ごろ、焼き芋を食べたんです。その焼き芋が熱くて、のどにやけどをして、しばらくしたら食事が通りにくくなりました。そこで近くの先生に診てもらったら「食道の方はともかく、胃にがんがあっど」と言われたんです。いい病院を紹介するからということで、南風病院で再度診察を受けたら、やっぱり胃がんということで、松田先生にESD「内視鏡的粘膜下層剥離術:Endoscopic Submucosal Dissection」を受けました」。
   「そりゃ、ラッキーでしたね。もし焼き芋を食べていなかったら、見つかった時には進行していたかも知れませんね」。
   今度は70代半ばの男性、自らが書いた病歴に、平成24年に胃がん、25年に肝臓がん、そして26年に肺がんと書かれている。
   きっと痩せた貧相な老人を予想していたら、診察室に現れた男性は色つやもよく元気そうな、重複がんを経験されたとは感じさせない方である。
   「よくたくさんのがんを経験されましたね」と話を向ける。
   「そうなんですよ。ちょうど70になってからなんですが、まず健診で胃がんが見つかり、ここで内視鏡的粘膜下層剥離術を受けました。翌年には肝臓がんで、またこの病院でラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)を受けました。そして翌年、今度は肺がんが見つかり、今度は開胸術でした・・・」
   「でも何れも初期でよかったですね」と言うと、「お蔭様で、定期健診のお蔭です」と言われる。「次はどこの・・・」と言うと「もう結構です」と笑いながら部屋を出て行かれた。