平成から令和の時代に(2)(2019/05/14)
「令和の時代の日本はどんな国をめざすべきでしょうか」という問いには「明治の前半まで、日本は外に膨張せず、小国であれという主張もありました。小国として賢く、誇りを持ってふるまおうと。もう一度、小国主義の議論をしたいものです」。
古代からの歴史を顧みると、現代はどのような時代にあるのかという質問には「歴史は700年単位で観ることができると思います。古代には『情』の時代、中世以降は『智』の時代、近代は『意志』の時代です。それはまだ始まったばかりです。一人ひとりが自覚して、良質な意志を持つことによって、全体が大きな意志を決定できる」。
人口減については「私はそれなりにいいと思っています。もちろん過渡期は大変です。しかし、そこを耐え忍べば8千万人なら8千万人の社会ができる。今のような人口密度の国がほんとうにいいかどうか。田んぼだって、最後は自然に戻すだけの話です。」
令和の時代は人口統計でみると、確実に人口減の時代になることは明らかである。国力を維持するために移民を増やして少しでも人口減を緩和して行こうとする政策も考えられているが、その副反応も同時に考えておく必要がある。日本の歴史を振り返ると島国特有の地理的背景を基に、江戸時代のような鎖国政策が300年も続いたわけで、当時の人口は3千万ほどだったと言われている。国力をGNPだけで考えることなく、住む人が幸せと感じられる社会を目指してほしいと思うことである。
さて文藝春秋の五月特別号では、改元&ご成婚60周年総力特集、「素顔の両陛下」ということで「天皇皇后両陛下123人の証言」というタイトルの特集号が組まれている。
一ページずつ、各界さまざまな人たちが、両陛下とお会いした時の様子や感想を寄せている。両陛下がどれほど一人一人を大切にされておられるか、そして皇后はできるだけ控えめに、出過ぎないようにとご配慮されておられることもよく分る。先の両陛下を悪く言う人は聞いたことがないが、それぞれの方々がさまざまなエピソードも交えながら披露されている。もちろん両陛下とも人間であり、年を重ねながら現在の素晴らしい人格が形成されたものと思われる。
大型連休を利用して院長室の棚の整理を行った。終活の歳になったので多くの本は捨てることにしたが、「皇后美智子さまのうた」(安野光雅、朝日新聞出版、2014年)の最初の部分を読み返すうちに、この本は「持っておこう」と思った。次のようなくだりがある。
先に書いた神谷美恵子(筆者注:長年ハンセン病患者に寄り添って来られたが、らい予防法に反対しなかったということで後にバッシングを受ける)は、皇后美智子さまの相談相手でもあった。ハンセン病についてくどくどと書いたのは、「ハンセン病の患者と握手しながら懇談された、なんとやさしい皇后なのだろう」と友人が感想をもらしたからだ。
われわれての皇后ほど、哀しみのわかる人はあるまい、療養者の変形の進んだ手にご自身の手を添えてその哀しみをともにしようとされたのだ。
それは、ただやさしいという言葉では言い表せまい、演技ではできない、人気とか、利益などのような不純な気持ちから手を添えることはできない。
わたしは、過去に迷惑をおかけした日本人に代わって詫びたいほどの心で挨拶されたのではないかとおもう。
スイスのバーゼルで行われた国際児童図書評議会に出席されたとき、諸外国の編集者たちが口をそろえて、「日本にはなんとすてきな皇后さまがいらっしゃるのだろう」といったという。私たちは、世界に誇る皇后を持っているのだ(終)。
古代からの歴史を顧みると、現代はどのような時代にあるのかという質問には「歴史は700年単位で観ることができると思います。古代には『情』の時代、中世以降は『智』の時代、近代は『意志』の時代です。それはまだ始まったばかりです。一人ひとりが自覚して、良質な意志を持つことによって、全体が大きな意志を決定できる」。
人口減については「私はそれなりにいいと思っています。もちろん過渡期は大変です。しかし、そこを耐え忍べば8千万人なら8千万人の社会ができる。今のような人口密度の国がほんとうにいいかどうか。田んぼだって、最後は自然に戻すだけの話です。」
令和の時代は人口統計でみると、確実に人口減の時代になることは明らかである。国力を維持するために移民を増やして少しでも人口減を緩和して行こうとする政策も考えられているが、その副反応も同時に考えておく必要がある。日本の歴史を振り返ると島国特有の地理的背景を基に、江戸時代のような鎖国政策が300年も続いたわけで、当時の人口は3千万ほどだったと言われている。国力をGNPだけで考えることなく、住む人が幸せと感じられる社会を目指してほしいと思うことである。
さて文藝春秋の五月特別号では、改元&ご成婚60周年総力特集、「素顔の両陛下」ということで「天皇皇后両陛下123人の証言」というタイトルの特集号が組まれている。
一ページずつ、各界さまざまな人たちが、両陛下とお会いした時の様子や感想を寄せている。両陛下がどれほど一人一人を大切にされておられるか、そして皇后はできるだけ控えめに、出過ぎないようにとご配慮されておられることもよく分る。先の両陛下を悪く言う人は聞いたことがないが、それぞれの方々がさまざまなエピソードも交えながら披露されている。もちろん両陛下とも人間であり、年を重ねながら現在の素晴らしい人格が形成されたものと思われる。
大型連休を利用して院長室の棚の整理を行った。終活の歳になったので多くの本は捨てることにしたが、「皇后美智子さまのうた」(安野光雅、朝日新聞出版、2014年)の最初の部分を読み返すうちに、この本は「持っておこう」と思った。次のようなくだりがある。
先に書いた神谷美恵子(筆者注:長年ハンセン病患者に寄り添って来られたが、らい予防法に反対しなかったということで後にバッシングを受ける)は、皇后美智子さまの相談相手でもあった。ハンセン病についてくどくどと書いたのは、「ハンセン病の患者と握手しながら懇談された、なんとやさしい皇后なのだろう」と友人が感想をもらしたからだ。
われわれての皇后ほど、哀しみのわかる人はあるまい、療養者の変形の進んだ手にご自身の手を添えてその哀しみをともにしようとされたのだ。
それは、ただやさしいという言葉では言い表せまい、演技ではできない、人気とか、利益などのような不純な気持ちから手を添えることはできない。
わたしは、過去に迷惑をおかけした日本人に代わって詫びたいほどの心で挨拶されたのではないかとおもう。
スイスのバーゼルで行われた国際児童図書評議会に出席されたとき、諸外国の編集者たちが口をそろえて、「日本にはなんとすてきな皇后さまがいらっしゃるのだろう」といったという。私たちは、世界に誇る皇后を持っているのだ(終)。
