Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

年末年始(2)(2018/01/10) 

その後まだ時間があったので、ずいぶん昔に録画していた「ローマの休日」を再び観ました。1953年作の白黒フイルムですが、全然色あせていません。私が最初にこの映画を観たのは高校時代のナポリ座だったかと思います。もちろん今はそのナポリ座もありませんが、あの当時の映画はよかった、と懐かしく思い出しながら観ることでした。特に最後の記者会見の場面では目頭が熱くなりました。昔の映画は起承転結がはっきりしていて、わかりやすいですね。
 さてこの映画のストーリーですが、イタリアのローマを表敬訪問した某国の王女と、彼女が滞在先から飛び出し一人でローマ市内に出て知り合った新聞記者との切ない24時間の恋を描いています。新聞記者をグレゴリー・ペック、王女をオードリー・ヘプバーンが演じています。当時新人だったヘプバーンは1953年のアカデミー賞において最優秀主演女優賞を受賞していますが、この映画でヘブパーンのあどけなさや初々しさがたまらない魅力です。記者は最初はスクープの絶好のチャンスと思ったのですが、王女の絶対の信頼を裏切ってはいけないと、最後にはスクープを断念して反故にしてしまいます。同僚のカメラマンもその記者会見場で、そっと証拠写真を手渡します。その辺りのこころのあやが、たまらない魅力になっています。
 さて今回の娘夫婦の目的の一つが、大晦日の夜の「長渕剛コンサート」です。その時間の孫たちの面倒をみるのが私たち祖父母の大変な役割となっていました。なにしろやっと歩き始めた隼生君のお世話は大変です。娘夫婦は17時前にこっそりと気づかれないように家を出ました。芽生ちゃん(前日の30日が4歳の誕生日)は聞き分けができていますが、隼生君(1歳半)は文字通りの母親っ子で、17時から21時半までの4時間余りは「試練」を覚悟しなければなりません。あの手この手を使って遊ばせることを工夫したのですが、娘が帰ってくるまでの時間、「試練」は続きました。
 娘がアリーナから歩いて帰ってきたのは21時半を過ぎていて、紅白はほとんど見ないまま寝てしまいました。昔はあんなに紅白を楽しみにしていたのに、雲泥の感があります。
 元旦の朝はいつもより一時間ほど遅く、それでも5時前には起きました。軽い朝食の後、そのまま歩いて病院に向かいました。好天を予想させるような穏やかな朝でした。病院に着いて院内向けに「明けまして」のメッセージを発信して、日経と途中のコンビニで買ってきた朝日の元旦号を拾い読みましました。どの新聞も「西郷さん」が何度も登場していますが、思惑通りに西郷ブームが起こるものやら。NHKも相当リキが入っているようですが。