Blog前南風病院院長 福永秀敏先生の雑感

健診模様(58)加治木の思い出と再び珍名(2019/06/27) 

30代半ばの男性、BMIが21.5ときりっと引き締まった理想的な体型である。
   「どこに勤務ですか」と問いかけると、「加治木です」と答える。昨年4月から家族で転居して、子供が二人、近くの幼稚園に通っているという。
   加治木と聞くと、30年も南九州病院に勤めて行き来したところだから、がぜん興味がわき、しばし加治木のローカルな話題になる。
   「私が居たころから考えると、港町も寂れましたね」と言うと、「そうなんです。警察署も姶良に移ってしまいました。7月には『いち松とらや』さんも店を閉めるということです」という。「いち松とらや」と言えば、私には懐かしい店である。大学時代にテニス部の合宿で宿泊した旅館で、当時は加治木荘という名前で3階建ての木造の旅館だった。そのあとを改築して、寿司屋や割烹になり、南九州病院の医局の忘年会を何度かここでしたことがある。当時、乗松院長は場所や料理に結構うるさい人だったので、担当の医局長など気を使って、前もって下調べなどしたものである。ある年に、妙見の石原荘で忘年会をしたことがあった。乗松院長を先頭に、調子に乗ってはしゃぎ過ぎてひんしゅくを買ったのか、翌年の忘年会では、体育館のような部屋が割り当てられていたことを思い出す。バブルの時代、何事も羽目を外していた時代である。
   「遊戯さん」という変わった名前の中年の男性が一般健診に来られた。
   「珍しいお名前ですが、どこの生まれですか」と聞いてみた。「そうなんですよ。亡くなった親父の話では、熊本のお寺のお坊さんからこの名前を継ぐ人がいないから、名前だけでも養子縁組してくれないかということで、継いだらしいのです」と言われる。
   珍名で検索すると、全国順位が 83,858位で、全国人数はおよそ10人(全て鹿児島県)ということである。「でも遊戯の戯という名前は、小さい頃は書きにくいでしょう」と尋ねると、「お陰で、私の小学校のクラスの子は、みんなこの字だけは書けたんですよ」。「お子さんは?」と尋ねると「男の子どもだけ3人です。みんな嫌がっているのですがね」
   下記は「コテル日記」からの引用である。
   (人間ドックで時に珍しい名字の人に出くわす。先週は「七ツ谷(ななつたに)」さんがいて、名字検索サイトで調べると55597位、全国に30名ほどしかいなかった。今日は「石室屋(いしむろや)」さんがいて、これは60776位、20名ほどのレア名字だった。いずれも鹿児島県に多い(そんな多くもないが)とあった。七ツ谷から連想して、私は「八つ墓」ってのはないかと調べたが、さすがにこれはなかった。当然か)。